人体には「影響ない」 鳩川の土砂から鉛
上溝・下溝に流れる鳩川の一部の土砂に、環境基準値を超える鉛と化合物が含まれていることがこのほど、明らかになった。鳩川の護岸工事に向けて県厚木土木事務所津久井治水センターが1月17日に実施した事前の土壌調査でわかったもので、人体への影響について同センターは今のところ「影響はない」とし、検出箇所が一部に集中していることから局所的との見方を示している。鳩川で過去にこうした事例はないという。
環境基準値を超える鉛と化合物が検出されたのは、土壌調査した2箇所のうち、下流の1箇所。上溝南高校から相模線を挟んで裏手にあたる諏訪橋の付近。150㎎/kg以下とされる含有量基準に対し、230㎎/kgの数値(=写真No・1)を示した。ただ、鉛以外の物質についてすべて基準値以下だったことから、同センターでは、今回の検出は局所的と見ている。鉛は土砂に混入しており、拡散の可能性が少ないため「水質に影響はない」としている。
同地区の河川の護岸工事をセンターが担当するようになった2013年度以降、土壌調査で基準値超の物質を検出したのは初めてという。今回の調査は規模が大きく、通常より多いとされる500㎥の土砂を持ち出して実施されたため、仮にこの護岸工事が行われなければ、このまま検出を免れた恐れがある。
検出後、上溝地区の石井泰明自治会長のほか、調査箇所の付近の住民に経緯などが説明された。石井自治会長によると、以前鳩川では魚釣りをする姿も見られ、今でもコイの生息が確認できるという。検出について「今までそんなことはなかった」と話している。
検出箇所の土砂は工期内の今年3月中をメドに産業廃棄物として搬出し、処分される見通し。