『あまちゃん』や『半沢直樹』などで昨今高まるドラマ熱。相模原市は「藤野」や「相模湖」といった観光資源を有する旧津久井4町との合併を機に、撮影件数が急増したロケ地の名所でもある。一方、市内で撮影した作品を「市の観光PRにつなげたい」(市商業観光課)という課題は道半ばだ。ロケ地「相模原」の今と今後の展望を探った。
10月上旬、相模湖で本日放送されるドラマ『独身貴族』(フジテレビ)の撮影(キャンプ場のシーン)が行われた。市内では、今年も撮影やロケの問い合わせが相次いでいるという。市内の撮影件数は合併前年の2006年度に旧相模原市内で37件だったのに対し、合併後の2007年度は旧津久井4町が加わったことで97件と3倍近くに増加した。その後も高い件数を示している(表参照)。
都内の制作会社に勤める男性は、ロケ地相模原の魅力について「テレビ不況から制作費が削減されている今、(東京から)近場で田舎の風景を撮影できる需要は高いはず」と分析する。
一方、ロケ誘致をいかに市の観光PRに繋げられるのかという課題もある。これまで市内では多くの映像作品が撮影されてきた。しかし、それらを起爆剤に、シティセールスに結び付けられた例は少ないという。最近の事例としては、JAXA協力のもと市内でロケを行った映画『おかえり、はやぶさ』(2012年公開)など、はやぶさ関連作品が挙げられる。この時はJAXA最寄駅のJR淵野辺駅前の商店街「にこにこ星ふちのべ協同組合」が映画公開と同時期にはやぶさグルメやグッズを開発。市もPRに力を入れ、様々なメディアが紹介するなど広がりを見せた。この事例が成功例として挙げられるだけで、まだまだ展開に課題を残す。市では今後、ロケ地を回るツアーやガイドマップ作成など効果的にPRする方法を模索している。
市民の関心高める施設も
その機運づくりの起爆剤として期待されるのが、高根にある「東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分館」だ。
同館では、これまで映画作品の保存、修復を主体に技術的な作業を行ってきたが、今年から一般向け公開講座を運営。10、11月に2度の鑑賞会を予定するなど、一般向けの企画が増えてきた。市では将来的に、市内ロケを実施した映画を同館での上映につなげていくなど町おこしの機運を高めたい考えだ。
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