「宇宙好き」育むまち相模原 少年団から見えてくる未来
はやぶさの帰還から3年。いよいよ今年度中には「はやぶさ2」が打ち上がる予定で、相模原の宇宙熱はさらに高まりそうだ。
こうした影響もあってか、自然や科学を通じた学習「宇宙教育」を行う日本宇宙少年団相模原分団の子どもたちは、好奇心旺盛だ。今回少年団に所属する4人に話を聞くと、少年団に入った理由も「天体、惑星に興味がある」(の)や「星座が好き」(優)といった星への関心から、「わからないところがいっぱいだったから」(秀)といった宇宙の神秘に魅せられたユニークな意見まで多彩。はやぶさ2の打ち上げについては、全員から「頑張ってほしい」「打ち上げが見たい」と早くも打ち上げの瞬間を待ちきれない様子が伝わってきた。
同少年団は宇宙以外に、化石探しや自然でのキャンプなどの野外活動も実施している。そのせいか、相模原の魅力を挙げてもらうと、公園、緑など自然を意識した発言が目立つ。「相模原公園が好き」(の)「相模原は自然がいっぱいで良い」(木)。JAXAやふれあい科学館など科学分野に触れられる利点も挙がった。
将来の夢はというと「科学者になって潜水艦に乗りたい」(秀)や「天文学者になって星が見たい」(優)など、多くが天体や科学に関する職業だった。少年団の中には今もなお、はやぶさの帰還や星について熱弁をふるう子もいるという。「宇宙に近いまち」相模原の土壌は「宇宙好き」たちをたくましく育んでいる。
このまちは、このままでいい
話題を相模原の将来像に変えると、「科学と自然を大事にするまちになってほしい」(木)「自然をずっと残したい」(の)といった声から相模原の魅力を継承することへの思いがにじむ。中には、「このまちは、このままでいい」(秀)との意見もあり、まちへの愛着を感じさせた。
自然豊かな公園、JAXAなど研究施設を有する風土。相模原には子どもたちの興味と好奇心をくすぐる要素が詰まっている。相模原の子どもたちの未来のために、本当に残すべきものは何か。私たちは真剣に見つめていく必要がある。
子どもたちは既に、相模原の良さに目を向けている。そして、知っている。