伝統芸能スタンプラリー 名所再発見で来街者増を 芸能後継者発掘にも期待
相模原市で8月から10月にかけて、市内を観光する来街者を伝統芸能をもとに取り込もうと「さがみはら伝統芸能スタンプラリー」が開催される。同実行委員会主催。獅子舞や神楽、歌舞伎などの無形民俗文化財が現存する市内6カ所を巡る。企画を通じて伝統芸能を保存する名所を広くPRするとともに、後継者の発掘にも期待を寄せる。
同催しは、市制施行60周年を機に、市民に市内各地の観光名所に訪れてもらえるようなイベントができないかと模索する中で企画された。気軽に市内を巡れるようにするため、スタンプラリー形式を発案。各地で行われている伝統芸能を観てもらうとともに、観光名所を知ってもらい、来街者を増やすのがねらいだ。
今回スタンプラリーの対象になったのは、特に保存・継承すべき無形民俗文化財として、県もしくは市の指定を受けているもので、江戸時代から続く伝統を継承しようと各保存会が後継者の育成に注力している6つの芸能。
各保存会としても今回のスタンプラリーは望ましい試み。その一つ、上溝の番田神代神楽は、1788年に始まったとされ、地元の有志団体「亀山社中」が中心となり保存・継承活動を行っている。これまで、初めて観る人でも楽しめるようにと劇中に解説のナレーションを加え、より多くの人に観てもらえるように工夫。衣裳は古くなったものをもとに、手作りで再現するなど、伝統の継承に尽力してきた。しかし近年、担い手の高齢化が進み、その芸の難しさから他の伝統芸能のように子どもを参加させることができず、後継者不足が深刻化。亀山社中の担当者は「この機会になるべく多くの人に観てもらい、後継者の獲得にもつなげたい」と話している。
相模原市観光協会は「伝統芸能の会場の周りには、鳥居原ふれあいの館(緑区鳥屋)や無量光寺(南区当麻)などまだ知られていない観光地もあるので、そちらにも足を運んでもらえる機会になれば」と期待をする。
今回、スタンプラリーの対象となるのは、「鳥屋の獅子舞」(8月9日(土))、「大島諏訪明神の獅子舞」(8月24日(日))、「下九沢御嶽神社の獅子舞」(8月26日(火))、「田名八幡宮の獅子舞」(9月1日(月))、「番田神代神楽」(9月14日(日))、「藤野村歌舞伎」(10月25・26日(土)(日))の6カ所。スタンプを集めると相模原産の米やお土産セットなどの賞品が当たる抽選に応募できる。詳細は同協会【電話】042・771・3767へ。
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