横山南部3・5丁目まちづくり協議会(笹野賢司委員長)は3月30日、市街づくり支援課に対して、同地区の地区計画に関わる都市計画決定の手続きを行った。同協議会発足から9年間をかけて、地区内の乱開発を防ぎ、住環境を保護するためにまとめた案で、約1年半後の条例化をめざす。
「地区計画」とは、1980年の都市計画法の改正で創設された制度。住民主導でまちづくりのルールをつくり、地区内の地権者の賛同を得て市に対して手続きを依頼、市は都市計画を決定した上で条例化して運用していく。この制度により、区域内で建築物を建てる際に建築主は事前に市への届け出が必要になり、住民らが定めたルールに基づいたまちづくりが可能となる。
横山南部3・5丁目には、公園や育児・教育施設などがあり、神奈川県住宅供給公社による宅地開発を契機に、昭和30年代後半から戸建て住宅を中心とした緑豊かな調和ある街並みが住民の良好な住環境を支えてきた。一方で近年、世代交代に伴う敷地の細分化が同地域に限らず全国的に進み、約半世紀にわたって守られてきた住環境を変化にさらし、乱開発などを招く恐れも懸念されている。
82・7%の賛同得る
これらの環境悪化からまちを守るため住民らは9年前にまちづくり協議会を発足し、毎月協議を重ね、地区計画案をまとめてきた。計画案に盛り込んだ主な内容は、建築物の敷地最低限度面積、壁面位置の制限(建物や道路の境界線の幅)など。住宅系・沿道系地区における敷地面積は、120平米に策定し、民法で50cm以上の距離を確保しなければならないとされる壁面位置の制限は防災面強化のため80cmにするなど、ゆとりを持たせた。商業系地区は、子育てに良い環境を維持するためパチンコ店やゲームセンターなどが建築できないように制限をかけた。
昨年12月には地権者に対して意向調査を行い、計画への賛同を促した。その結果、地権者数364人に対し358人、98・4%を回収し、内82・7%の賛同を得た。これを受け、9年間に及ぶ計画策定に対して住民の合意が得られたと判断し、このたび市へ提出。今後は市民に対して縦覧後、都市計画審議会で議決し、市議会での条例化をめざす。
住民ら主導の都市計画は、市内では1987年から現在まで39例。同協議会発足10周年の節目に、計画案を市へ提出できたことを受け笹野委員長は、「個人の財産をある程度規制することの重大性を理解した上で、住民が何を求めているかを考えて住環境の保護に取り組みたい」と条例化に向けて意欲を話した。
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