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憧れのキャンパスライフを実現させ、日本大学通信教育学部文理学科に通う 布江 トヨさん 田名在住 74歳

公開:2016年2月11日

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今まさに「学びの青春」謳歌

 ○…「大学生活は思っていた以上に楽しくて、今はとても幸せです」。昨年、約半世紀の間、胸の底に持ち続けた大学入学の夢を実現させ、今まさにキャンパスライフを謳歌している。専攻は国文学。授業でわからない箇所は先生や、孫と同じ年の友達に聞いて回る。「みんなは私のことを『同級生』と思うかもしれないけど、私は青春まっただ中の『同年代』だと思っています」と、笑顔がこぼれる。

 ○…生まれは富山県。県内有数の進学校に通い、当然のように大学進学を思い描いていた。しかし、高校1年の頃に父親が病に倒れると、協力的であった母が進学に反対。やむなく進学を諦め、就職を選んだ。その後は、夫と懸命に働き、4人の子どもを育てた。育児が終わってからも仕事を続けたが、3年ほど前に夫が他界したことが一つの契機となる。娘が住む相模原に移り住むと、夫が亡くなり落ち込んだ時期もあったが「娘に暗い姿を見せたくない。悔いのない人生にしよう」と、一念発起。一度は諦めた大学進学を決意した。同年大学進学を控える孫とキャンパスを回り、雰囲気の良かった日大への進学を決めた。

 ○…日々の生活の中で、音楽は心を解放できる貴重な時間だ。中学時代にはピアノに夢中になったこともあった。相模原に移り住んでからは、時間を見つけて地域の合唱サークルに足を運んでいる。好きな音楽と向き合う時間を手にし「みんなで大きな声を出すと、明るい気持ちになれる」と目を輝かせる。

 ○…都内のキャンパスまでは電車を乗り継ぎ2時間半かけて通う。1年次は週3回の登校だったが、2年次からは週4回に。「疲れるけど、学校に行けば友達に会えるので」と、学友との交流が日々のエネルギーになっている。今後の目標は「卒論をしっかり書いて、無事卒業すること」。約半世紀ぶりに訪れた青春の日々。遅れてきた分、暖かさもひとしおだ。

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