県政報告Vol.22 県政の課題を問う 神奈川県議会議員 河本 文雄
県議会第2回定例会から議会運営委員会、環境農政常任委員会、教育・スポーツ振興対策特別委員会(副委員長)の委員として活動してまいります。今回は平成28年度の県央地域重点事業の主な概要と、常任委員会での提言について報告致します。
ロボットと共生する社会の実現
県は「さがみロボット産業特区」を中心に生活支援ロボット等幅広いロボットの実用化や導入・普及等を促進する取組みを推進し、ロボットが社会に溶け込み、いのちや生活を支えるパートナーとして共生する社会の実現を目指しています。
今年度の新規事業としては、生活支援ロボット等の早期実用化の促進として、火山活動等に対応する災害対応、リハビリ支援、東京五輪等での活用等ニーズの高いロボットの開発促進、また元新磯高校を活用した「さがみロボット産業特区プレ実証フィールド」を生活支援ロボットの実証実験の場として本格的な運用をするために改修を行います。施設整備により、小型飛行ロボット(ドローン等)の実証実験を安全に長時間実施でき、また自動運転・車いすロボットや、ネットワーク接続を前提とした見守りロボットなどの実証実験がそれぞれ可能になります。生活支援ロボット等の導入・普及促進については、ロボット導入支援事業として特区の取組みを活用して商品化された生活支援ロボットについて民間施設等への導入促進を図るため、導入にかかる経費に対し介護施設、病院、学校等に補助していきます。
ロボットと共生する社会の実現に向けた発信では、ロボット共生社会発信事業として、共生のイメージをわかりやすく発信するモデル空間の整備に向け、検討を進めていきます。
リニア中央新幹線の建設促進
リニア中央新幹線については、平成39年の開業に向け、沿線各地で事業が進められています。今年度は敷地地下に県内駅が設置されることになっている県立相原高校の移転先用地(職業能力開発総合大学校相模原キャンパス跡地・取得面積約11・9ha)を取得し、整備を促進していきます。先月行われました黒岩知事が会長を務めるリニア中央新幹線建設促進神奈川県期成同盟会の総会で、現在の進捗状況の報告、今後の活動について承認されました。
津久井在来大豆のブランド振興支援事業
津久井在来大豆の生産振興については、関係農協の努力で平成25年に商標登録され、産地連携会議の開催や生産の基本となる標準系統種子の生産体制が整備され、同26年には農協、生産者、関係市町村、食品加工業者などによる「津久井在来大豆振興連絡会」を設置し、ブランド化を推進しています。今後は安定的な生産、流通・販売を目指し、連絡会を開催するほか、標準系統種子の安定生産と普及を図るべく巡回検討会を実施していきます。
本県農業の活性化指針は抜本的な見直しを
県は、新鮮で安全・安心な食の供給と農業が持つ多面的機能の発揮により都市農業を持続的に発展させ、県民の健康で豊かな生活の確保を目的に、神奈川県都市農業推進条例を制定しています。
この中で県は、本県農業の方向性の指針となる、かながわ農業活性化指針を定め、地産地消の推進や担い手の育成などの取組を進めてきましたが、昨今の国の農業政策の見直しなどにより、目標年度を前倒しし、今年度の改定を目指しています。そこで、常任委員会では国の農業政策にこだわるのではなく、あくまで本県に適した都市農業を実施すべきと言及し、有識者による審議会やパブリックコメントに頼りすぎず、消費者目線に立って幅広く議論するよう要望致しました。加えて地産地消の推進、生産基盤の確保や整備などの基本目標についても抜本的な見直しを訴えた上で、多様な担い手の育成、確保の面では、障害者の方も含めた人材育成を求めました。
県はこの指針を本年度中に改定する方針です。今後も、県民に理解が得られる都市農業を推進してまいります。
神奈川県議会議員 河本文雄
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