重症心身障害児者入所施設「ワゲン療育病院長竹」(緑区長竹)で12日から14日の3日間、近隣の高校生を受け入れた介護実習が行われた。地域交流と入所者の社会参加を推進する同院で、福祉業界を志す高校生に実際の現場を学んでもらうため両者が連携。今年開院3周年を迎えた同院で初めて行われた。
参加したのは津久井高校福祉科の1年生、市成優明君と喜田行哉君。県立高校で唯一、介護福祉士国家試験の受験資格を取得できる同校では、今回の「1年生1期介護実習」が、実際に福祉の現場に触れる初の機会となる。実習では、スタッフの指示の下、食事介助やリハビリ見学など施設での一日の流れを体験。初日は入所者の個性に合わせた対応の仕方に戸惑うも、最終日の設定活動では自ら積極的に働きかけ、入所者との間に、一体感を感じたという。
市成君は「今までは福祉というと高齢者のことばかり考えていた」と振り返り、「医師や看護師、薬剤師、社会福祉士や作業療法士など、いろんな専門家の方の活躍を知って刺激を受けた」と話す。
喜田君は「緊急時を想定した連携を確認する『5分間勉強会』など支援員さんらの手際には驚かされました。入所者の方が、徐々に笑顔を見せてくれるようになったのが嬉しかった。将来は社会福祉士と理学療法士の資格を取得したいと思っています」と自身の夢に弾みをつけた。
同院の鹿釜久子看護部長は「まずは入所者の方の生活に触れ、支援員の役割を垣間見られたかと思います」と話している。
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