神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

桑茶を市の目玉産業に 官民で研究会設立検討へ

社会

公開:2016年11月3日

  • LINE
  • hatena
桑茶の効能を説明する高野病院長=10月19日
桑茶の効能を説明する高野病院長=10月19日

 桑茶の持つ健康効果に着目し、相模原産の桑茶を市の目玉となる産業として、地域を活性させようと、相模原協同病院(緑区橋本)の高野靖悟病院長が本格的な事業化に向けた研究会の立ち上げを呼びかけた。10月19日に開催された相模原商工会議所女性会主催の公開講演会で提言されたもので、同病院に加えて相模原商工会議所、JAの三者からなる組織が想定されている。高野氏は販売にも言及し、世界進出など将来的な展望も示した。

 相模原産の桑の葉による桑茶は、商工会議所女性会の猪熊幸江前会長を中心とした組織が、かつて「養蚕のまち」として栄えた相模原市で再度桑茶事業を起こし地産地消を図るとともに「相模原からなくそう生活習慣病」をスローガンに、2010年から事業を開始。13年に商品化されると、14年に県の「なでしこブランド」に選出。同年、日本商工会議所に取り組みが評価され、最高賞に当たる会頭賞を受賞。現在は「さがみの桑茶とうとるん」の商品名で販売されている。

 講演会をめぐっては、未病外来を持つ同病院に桑茶事業の紹介をしようと、女性会の有志が関係者を通じて高野氏と面会し、賛同を得られたことで連携の動きが活発化。その後、高野氏が独自に行った桑茶の臨床実験で好結果が生まれたことから、講演会を発表の場にすることが決まっていた。 

市産桑茶、世界へ発信を

 講演会で高野氏は、生活習慣病によって介護が必要になる状況をなくすこと、さらには健康寿命を延ばすことの大切さをアピールし、桑茶にはカルシウムが豊富に含まれており、ベータカロチンの含有量もホウレンソウの10倍とされることなどを紹介。その上で、糖尿病の投薬処方を受けている人や高脂血症などがある人で50歳代から80歳代の26人を対象に1日2回の飲用を3カ月継続して効果を図る臨床実験を行い、結果を報告した。それによると、26人中17人が血液中の糖を指すHbA1cが低下、総コレステロールは18人、中性脂肪は16人、悪玉コレステロールは15人が下がったとする結果が示された。

 実験結果を受けて高野氏は、「副作用がゼロで、優れた健康食品」として桑茶を改めて推奨するとともに、神奈川県が推進する未病産業の創出で海外進出を図る取り組みを挙げ、桑茶でのその実現の可能性について言及。加えて、栽培、開発技術の向上に努めると同時に、耕作放棄地の掘り起こしによる雇用創出などが地域活性化に繋がる事業であることを強調した。

 そこで、相模原からの桑茶の発信力を高める目的で、同病院はもとより、商工会議所、JAの強力な後押しの必要性を訴え、三者による「相模原市桑茶推進研究会」の立ち上げを呼びかけた。会によって桑茶を市の目玉産業に育て、3年後に移転する同病院での販売や試飲サービスで普及を促進する案を明かした上で、将来的には中国への輸出販売や、増加する中国人観光客を対象に特産品の食事を提供するとともに検査や治療目的で観光するメディカルツーリズム(医療観光)での活用も視野に入れ、「どんどん輸出を促進できれば」とし、中国を中心とした世界への桑茶の発信に意欲を示した。

 研究会の立ち上げについて高野氏は、結成時期などの明言を避けたものの、女性会では近日中に商工会議所と協議し、立ち上げを検討していく方針だ。猪熊前会長は「桑の木を育てる農家と連携し、地域活性を図りながら進めてきた。高野先生が臨床実験で好結果を出してくれたことに感謝し、今後も未病への取り組みに貢献できるよう、まい進していきたい」と事業のさらなる前進に向け、決意をにじませた。

 桑茶についての詳細は商工会議所(【電話】042・753・8135)へ。

相模原市のご葬儀

ニーズに応じた家族葬プランをご用意

https://ceremonyhouse.jp

<PR>

さがみはら中央区版のトップニュース最新6

過去最多53万人来場

市民桜まつり

過去最多53万人来場

市制70周年 華やかに彩る

4月18日

20%還元 6月3日開始

相模原市

20%還元 6月3日開始

スマホ苦手派に説明会も

4月18日

市内全区で上昇率拡大

地価公示

市内全区で上昇率拡大

リニアと駅近で住宅需要増

4月11日

障害者支援の窓口開設

障害者支援の窓口開設

区内初「キーステーション」

4月11日

老木対策で維持管理

老木対策で維持管理

さくら通りの並木

4月4日

「ある」県内5自治体

災害時トイレ「独自指針」

「ある」県内5自治体

本紙が33市町村に調査相模原市は国基準で備蓄

4月4日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月6日0:00更新

  • 3月30日0:00更新

  • 3月23日0:00更新

さがみはら中央区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月23日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook