肢体を不自由とする人を主体とした重度障害者支援施設・県立さがみ緑風園(南区)を会場に10月23日に行われたイベントで、聴覚障害があるスタッフも在籍する区内のヘアサロン「ルピナスヘアー」が参加し、ネイル施術を提供した。
同店で送迎による施術サービスを開始するにあたり、浅川雅之オーナーが同施設をあいさつに訪れようとした直前、7月の障害者殺傷事件が発生した。これを受け、浅川オーナーは支援についても併せて打診したところ、施設側から障害者らへのネイル施術を依頼されたことから、今回のイベントへの参加が決まった。
施術した同店の栗山怜実さんは美容師資格を持つ聴覚障害者。普段は男性を対象にネイルの施術を行っているが、当日は爪のデザインも考えながら施術にあたるなど工夫を凝らしたという。ネイルを体験した障害者らは、普段、施術の機会が少ないだけに嬉しそうな表情を見せていた。
イベント参加を振り返り、「楽しく施術できたし、喜んでもらえて嬉しかった」と栗山さん。浅川オーナーは「美容室などに通えない方が多い中で、美しくなりたいと思う障害者の人たちに施術できたのが一番良かった」と話した。