大会で優勝を果たし、表彰台に上がる片野さん（中央）
市立上溝中学校に通う片野柚斗（ゆずと）さん（１年）が10月７日から10日にかけて大分県中津市で開催された「文部科学大臣賞第25回ウェイクボード全日本選手権大会」に出場し、成人男性も参加する部門で優勝した。プロのウェイクボード選手を今後の目標に据える片野さんは、「将来、日本一の選手になりたい」と意気込んでいる。
ウェイクボードとは、「水上のスノーボード」とも呼ばれるアメリカ生まれのウォータースポーツ。湖など水上で、船に繋いだボードに乗り、船が起こした波を利用してジャンプや回転などの技を披露し、その完成度を競う。
片野さんがウェイクボードを始めたのは小学４年生の頃。水しぶきを上げて水上を滑走し、ウェイクボードを楽しむ父親の姿に憧れを抱いたのがきっかけだった。その後、父親同様、自身も競技にのめり込んでいく。「初めてやった時、一回でボードに立てた。恐怖心は全く無かったです」。この頃からすでに、才能の片りんが垣間見えていた。
柔道との「二刀流」
ウェイクボードの練習は週に２〜３回ほど。学業の合間を縫い、山中湖や利根川などで、現地にいるコーチの指導を受ける。シーズン中は、泊まり込みで技に磨きをかけることも。練習のできない冬場のために自宅にはトランポリンを置いており、空中でのバランスの取り方などを培っている。そんな片野さんは、中学校では柔道部に所属。柔道では、ボードから転びそうになっても耐える力などを養っているというが、今秋、市の学年別の大会に出場すると、そこでも見事に優勝。ウェイクボードとの「二刀流」を実現させている。
プロめざしツアー参戦へ
10月の全日本選手権大会では、30〜40代の成人男性も出場するアマチュアの部門にエントリー。予選・決勝ともに一回の滑りで勝負が決まる緊張感の中、片野さんは、練習でもあまり成功したことのない３Ｄ（空中で縦に回転し、横方向へひねる）など高難度の技を見事に成功。大舞台での勝負強さを遺憾なく発揮し、認定の大会としては自身初の頂点に立った。「初めは実感が湧かなかったけど、表彰台に上がった時はやっぱり嬉しかった」
片野さんは11月10日、野村謙一教育長のもとを訪問、大会優勝の報告を行った。当日は取材陣も多く見守る中、終始緊張した面持ちを見せながらも、野村教育長から「相模原を代表するアスリートになってください」と激励の言葉をかけられると、顔をほころばす場面も見られた。
「大会も楽しめるように」
将来は、エクストリームスポーツ（速さや高さ、危険さなどの要素を持ったスポーツ）の競技大会・Ｘ Ｇａｍｅｓ（エックスゲームズ）への出場もめざす片野さん。憧れの選手には、最年少プロウェイクボーダーの濱崎優友さん（15）の名を挙げた。「濱崎さんのように大きな大会も楽しめるようになって、いつかは日本一のプロ選手になりたい」。まずは来年、プロに上がるための「アマチュアツアー」に参戦する意向だ。
練習に打ち込む片野さん
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野村教育長と並ぶ片野さん（左）＝10日
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