市内の商店街で組織される(一社)相模原市商店連合会(以下市商連)では、認知症への理解を深めようと、認知症サポーター養成講座を市内各商店街(会)で開催し、全市的な取組みとして本格的に進めることとした。今後は取組みを市内全体に波及させ、認知症の人が安心して暮らせるまちづくりの一助となるよう努めていく考えだ。
市の政策研究機関・さがみはら都市みらい研究所の調査によると、市内の認知症高齢者は2015年現在で17,547人。10年後には25,515人に増加するとみられている。
昨今、市商連でも認知症の来客への対応に苦慮するといった声が頻繁に聞かれるようになるなど、その対応を急ぐ必要が生じている。そんな中、淵野辺駅北口の「にこにこ星ふちのべ商店会」が、新たな試みとして市商連に呼びかけたのが今回の提案。内容は認知症への正しい知識を持ち、手助けできる人を育成する「認知症サポーター養成講座」を商店街単位で取組もうというものだ。市商連は、認知症について店主たちが理解を深めていく必要があると判断し、養成講座を開催するとともに、サポーターの普及に本腰を入れていくことを決めた。
講座を受講すると、ステッカーが配布される。それを店頭に貼ることで認知症サポーターが在籍する商店、企業と認められ、ステッカーは認知症の人にとって「安心の証」となる。市商連では、講座を実施している相模原キャラバンメイト連絡会の協力のもと、2月7日(火)ににこにこ星が開催する講座を皮切りとし、順次開催を推進していく方針。市商連所属の36の商店街、企業、団体のうち、緑区、南区を含む5商店街がすでに手を挙げており、全会員への波及のほか、市内各団体にも講座を開催するよう働きかけていく考えだ。相模原商工会議所もこの取組みに賛同し、加入事業者に対して呼びかけていくという。
認知症の人への取組みを市商連として強く進めていくことについて、浦上裕史理事長は「商店街は顧客と触れ合う機会が多いため、認知症の人への応対に生かせると思い、手を挙げた」と実施を決めた経緯を話す。今後は「認知症について知る商店が増え、じわじわと活動が広がっていけば」と将来的なビジョンを明かした。
にこにこ星の会員で、以前から認知症サポーター養成講座の実施を商店街に呼びかけてきた高齢者福祉活動を行うLinkマネジメントの井戸和宏さんは「取組みにより、認知症の有無に限らず、地域で助け合えるまちになることに加えて、認知症の方にとって社会参加の助けになれば」と話している。
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