全国的に高齢運転者による事故が問題となる中、相模原警察署を中心に免許の自主返納について協議を行う「相模原HiTS準備委員会」がこのほど発足した。
同署は昨年から免許返納後にも交通手段に困ることなく生活できる環境づくりをめざした取組みを開始。昨年12月には桜美林大学と協力し上溝・田名地区で自主返納に関する住民アンケートを実施した。
今回発足した委員会は、この取組みから派生した組織。「高品位交通環境支援プロジェクト」を英訳した文から頭文字を取り「HiTS」と命名した。
同委員会では地域の代表者をはじめ高齢者が多く通う医療機関からも委員が選出された。今後は、昨年行ったアンケート結果を分析し、自主返納を促すためにはどのような制度が必要となるかを協議していく。
3月15日(水)には地元住民向けにアンケート結果の報告会を実施。そこで挙がった意見を集約し、5月末を目途に協議をまとめていく方針だ。その後はタクシー会社など地元交通事業者と調整を行い、上溝・田名地区で免許を持たない人への交通支援事業を実験的に行うことも予定し、最終的には市へ政策提言を行う考え。
2月17日に行われた発足式では、上溝地区自治会連合会会長を務める同会の小林充明会長があいさつに立ち「上溝地区は特に事故が多い地域で、汚名返上したい気持ちがある。ただ、免許返納を呼び掛けても、車以外の交通手段がない人もいるので、何ができるのか考えたい」と話した。
免許制度が改正
こうした取り組みが全国的に広がる中、認知症を持つ人による事故防止を図った改正道路交通法が3月12日から施行される。改正法では75歳以上の運転者が一定の違反を犯した場合、臨時認知機能検査を受けなければならない。検査で認知機能の低下確認された人は講習を受ける必要がある。詳細は神奈川県警ホームページで確認できる。