創立30周年を迎える「杉の子パッチワークサークル」の講師を務める 丹羽 洋子さん 光が丘在住 75歳
笑顔で人を繋ぎ合わせて
○…「先生なんて呼ばないで」。30年間サークルの講師を務めてきたが、独学で習得したため、今でも「先生」と呼ばれることが照れくさい。週1回の教室では60代から80代までの生徒7人に指導。エプロンやワンピースなどの製作に励むが、「作業より会話の方が弾んじゃって」と微笑む。その柔らかな笑顔は周りの人からよく褒められて、「初めて会う人ともすぐ仲良くなっちゃうんです」とまた笑う。
〇…ミシンで子どもの洋服を手作りする母親の傍らで、布の切れ端を針で縫い合わせて遊んだ幼少期。物作りの楽しさが忘れられず、高校では所属するバレーボール部でレギュラーの座を目前に退部。「本当に好きな洋服作りをしたい」と洋裁を習い始め、手製の普段着を楽しんだ。だが、市場に既製服が出回るようになると、洋服に費用や手間をかけなくなっていった。そんな時に出合ったのが、パッチワーク。「ぷっくりした布が頬ずりしたくなるほど可愛くて」。趣味として勉強するうち、自治会からの依頼で講習会を開くことに。約30人が参加した会は好評を博し、生徒の要望でサークルが発足した。
〇…一度あきらめたバレーボールも、今では週1回のシニアバレーで再燃。「ファインプレーができた時が嬉しくて」と笑顔が弾ける。昨年、参加した市の大会では知らぬ間に最年長出場者になっていた。他にもゴルフや社交ダンス、歴史の勉強サークルなど趣味は多岐にわたり、「人生に悔いはない」と言い切るほど。52年間連れ添う夫も、ミニSLに熱中。周りからは「お似合い夫婦と言われます」。
〇…「創作が苦手」とするも、日常生活で人々の持ち物を観察しては製作のヒントにする。30年間続いた理由を問えば、「いい生徒さんに恵まれたから」と感謝の念を忘れない。次なる目標は「40周年」。「お喋りと手作業で、生徒さんがいつまでも健康でいてくれたら」。絶やさぬ笑顔で人と人とを繋ぎ合わせていく。
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