2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおいて、ブラジル代表の事前キャンプ地に決定した相模原市は、25日に都内で同国オリンピック委員会(BOC)と施設利用に関する覚書を交わした。相模原市では、五輪連覇の経験を持つ強豪・女子バレーなど8競技がキャンプを行う予定だ。
都内のホテルで開催された覚書締結式には、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恆和会長、ブラジルオリンピック委員会のカルロス・ヌズマン会長のほか、事前キャンプ地となる相模原市、埼玉県新座市、東京都大田区などの自治体から首長が出席した。
自身もバレーボールの代表選手として、1964年の東京オリンピックに出場したヌズマン会長は、「これまでに41回来日し、東京が第2の故郷だと思っている。どの競技の選手団が日本に来てもアットホームにくつろげると思う」とあいさつ。キャンプ地の選定理由については「各競技団体のテクニカルディレクターが、候補地が提供する施設、機材、そして安心感などを条件に、視察を重ねて決定した」と述べた。
併せてキャンプを行う競技も発表され、相模原市ではバドミントン、カヌースプリント、フェンシング、女子サッカー、競泳、シンクロナイズドスイミング、飛び込み、女子バレーボールの8競技となった。施設はさがみはらグリーンプール(国際認定)、相模原麻溝公園競技場(日本陸連第2種公認)、市立総合体育館などを使用する予定。事前キャンプに係る費用負担、使用施設や実施期間などは今後も協議を続け、2018年6月までに決定、最終協定書を結ぶ。
市スポーツ課によれば、BOCから最初の問い合わせがあったのは2015年5月。その年の10月に1度目の視察が行われた。その後、17年2月までに5回の視察があり、先月には野村謙一教育長を筆頭に3人の職員がリオデジャネイロのBOC本部を訪れ、最終調整を進めていた。
加山市長は覚書締結後、「職員らのおもてなしの気持ちが伝わり、うれしく思う。ブラジル選手団が東京オリンピックで活躍できるよう、全力でサポートしたい」と話し、さがみはら国際交流ラウンジを中心に、市内300人のブラジル人との交流も進めていくとした。施設については、飛び込み台など施設の改修はあるとしながらも、宿泊場所も含め、施設の新設予定はないことも明らかにした。
市内から喜びの声続々
相模原バレーボール協会の岡田あさ子会長は、世界最高峰の選手たちが訪れることについて「相模原市を選んでくれとても嬉しいです。もし、手伝えることがあれば何でもしたいと思います」とコメントした。
区内唯一の女子サッカー部がある弥栄高校女子サッカー部主将の伊藤楓さんは「生で観る機会があれば観てみたい。練習の雰囲気や(強豪国は)日本と何が違うのか気になる」とし、区内の中学生女子チーム「FCコラソン相模原フェミニーノ」の大野藍監督は「選手にはプレーそのものを間近で感じてほしいです。テレビで観るプレーにはない、近くで観た時の迫力やスピード感、その瞬間のコミュニケーションを吸収してほしいと思います」と話した。
市出身で水泳・板飛び込み競技の日本代表として昨年のリオ五輪に出場した坂井丞さんは「ブラジル選手団にも競技だけではなく、街の雰囲気や人の温かさなど、相模原の良さも知って帰ってほしいです。ブラジルの飛び込み選手も強敵なので、負けずに頑張るつもりです」と意気込んだ。
|
<PR>
さがみはら中央区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|