外務省が推進する青少年派遣事業「カケハシ・プロジェクト」の一環で11月1日から8日、県立弥栄高校(坂本万里校長)の生徒がアメリカ・ニュージャージー州にある高校を訪れ、日本文化などについて現地の高校生らにプレゼンした。同事業ではこれまで県内から2校派遣された例があるが、市内の高校として派遣されるのは初めて。生徒は事業での国際交流を通し、異文化の違いや日本の魅力について改めて理解を深めた。
外務省では将来活躍が期待される優秀な人材を各国との間で招へい・派遣し、対日理解の促進や対外発信の強化に結び付けるための交流事業を推進しており、特に北米地域との間の事業は「カケハシ・プロジェクト」と呼ばれている。
今回弥栄高校の坂本校長が、国際教育の推進組織である全国国際教育研究協議会に所属している縁から同事業へ応募。グローバル人材の育成に力を入れている同校の取組みや活動実績が外務省に評価され、書類審査などを経て8月に正式に参加が認められた。その後、実際に現地を訪問する有志生徒を同校が募集。60人を超える応募の中から国際科の生徒ら1〜3年生23人が選ばれ、派遣が決まった。
まとめ役中心に準備
同事業で派遣される生徒は、各国の同世代が日本に関心を持つきっかけをつくることが求められており、出発までの間、生徒は現地の高校生に向けたプレゼンの準備に奔走。まとめ役を担った渋谷海斗さんと関珠寿さん(ともに国際科3年)は「学年が違うので授業の時間も異なる。集まる機会も限られ、準備が難しかった」と当時を振り返った。
こうして二人を中心に準備が進み、迎えた1日、生徒は成田空港からアメリカへと出発。現地には坂本校長と引率の教員、一般財団法人日本国際協力センター(JICE)の日本人コーディネーターらも同行した。
現地ではまず、在ニューヨーク日本国総領事館を訪問。その後、生徒は国連本部ツアーに参加し、戦後の人権や平和維持活動などについて学習した。
交流通し「国際人」へ一歩
翌日、ニュージャージー州のクラークスタウン南高校を訪れた生徒は、準備を進めてきた「弥栄高」「書道」「アニメ」「四季・行事」「和食」「東京五輪」の6つのテーマに沿って英語で日本の魅力をプレゼン。実際に現地の高校生が漢字を書き記す書道の実演や、「オタク芸」を弥栄高生が披露する時間も設け、一日を通し交流を深めた。
プレゼン後、現地の授業を見学した生徒はホストファミリー宅にホームステイし、異文化の生活を体験。自由の女神や、かつて移民局が置かれていたエリス島の見学も行った。今回、出発直前に現地で起こったテロの影響で一部スケジュールに変更が出たものの、生徒にとっては貴重な学習の機会となった。関さんは事業を通し「アメリカの良さだけでなく、改めて日本の魅力に気づくことができた」と話し、渋谷さんは「いろんな人と交流を重ねて自分の視野を広げていきたい」と抱負を述べた。
生徒たちは現地で学んだ成果や今後の活動案をすでにワークショップでまとめており、来月、全校生徒に向けて発表する予定。
|
<PR>
さがみはら中央区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|