「観ているファンがワクワクする試合がしたい」。シーズン直前、本紙の取材にそう答えた須永恭通ヘッドコーチ。個々のプレーの激しさと試合の面白さを求め、ファンに「去年とは違う」と思わせる戦いを誓っていた。
その言葉の通り、加入2年目の主軸QB(クォーターバック)デヴィン・ガードナーを起点に、今季は攻撃力が増した。1勝止まりと苦汁を味わった昨季を上回る4勝(2敗)で3位。ホームゲームでは強豪・IBMから2013年以来の勝利を挙げた。一昨年の王者・パナソニックとの最終節では接戦を演じ、惜しくも2点差で敗れはしたが、ジャパンXボウルでの戦いに期待を抱かせる試合内容を見せ、チーム力は強豪と僅差であることを示した。ただ、そこに立ちはだかったのは、リーグ戦で完敗を喫したオービックだった。
Xボウル準々決勝。ライズはオービックの強力な守備陣に跳ね返された。相手の執拗なプレッシャーからQBガードナーがリズムを乱す。最後の最後までライズの思い描く攻撃は果たせなかった。結果は22対41。過去1勝しかできていない相性の悪さも影を落とした。
それでもガードナーとレシーバー陣が融合したときの攻撃の爆発力は目を見張るものがあった。この力は来季への希望となるはずだ。
河石主将が振り返る1年&ベストゲーム
河石泰主将は「今季は雨が多かったこともあり、またシーソーゲームとなる試合もあったが、いつも多くのファンに声援をいただき、選手の背中を押してもらえたことに感謝したい。結果は日本一には届きませんでしたが、皆と一緒に喜べる日が必ず来ると信じている」と話した。
河石主将が選ぶ今季のベストゲームは、ホームでIBMから勝利を挙げた1戦。「どちらが勝ってもおかしくない状況だったが、皆の声援に選手が支えられ、つかみ取ることのできた勝利だったと感じている」と振り返った。