大野北地区まちづくり会議・まちづくり専門部会長山口 信郎(のぶお) さん
今回の再整備は、平成23年度に大野北地区まちづくり会議が大野北地区の要望として、淵野辺駅南口の市の土地、施設などを集約しての利用、震災被害による図書館の修繕を含め市に要望したことが発端とされる。だからこそ、この再整備をめぐっては突然沸いて出たものではなく、毎年要望してきた上での結果となっていることを強調する。
同会議は各種団体のメンバーらで構成される会合。その中で再整備をテーマに掲げる専門部会を設け、そこでの議論を同会議に上げてさらに話し合う仕組みを昨年6月に設立。再整備について議論し、現在も検討を続ける。再整備への反対の声が上がることについては「自治会の会員の方への落とし込みが足りなかった」と反省を口にするも、「今回の話題が出て問題だとの声が上がっているが、私たちはずっと前から議論してきた。反対する人たちは、これまで公共施設の老朽化などに問題意識を持っていたのか」と指摘する。
これまで大和市のシリウス、武蔵野市の武蔵野プレイスなど他市の複合施設を視察し、大野北地区での実現性を探ってきた。図書館をはじめとした周辺公共施設が複合化して文化の交流拠点となれば、それがまちづくりの核となり、大野北地区が持続可能な町となるための基礎になると考える。
さらに、様々な利用目的を持つ人々が集まると考えられるため、多世代、多人種が利用を通じて交流できるプラットホームをつくることにもなると期待する。図書館、公民館などの利用者が交差することで図書館を利用しながら、別の施設を利用するなど副次的な利用も予想されることに言及し、「それが複合施設の良さで、そうなることで利用が伸びる。大和のシリウスは年間利用者が200万人となり関係者自身が驚くほど。だから複合施設は町のプラットホームとなり、情報のプラットホームになる。それが多くの人が行き交う鹿沼公園にできれば、なお良いと会議メンバーの総意としてとらえている。鹿沼公園が生かされるような柔らかみのあるデザイン性に富んだ複合施設にできれば」と思いを込める。
近隣に大学、JAXAを有する大野北地区の特性を生かした施設の在り方や、公園のリニューアルの仕方を今後の課題に据える。近隣住民の意見も取り入れつつ、構想を具体的に進める考えだ。持続可能な町づくりとして20年、30年後も利用できる施設にしていく中で、市の財産としての土地利用について複合化に疑義を唱える意見には「市の土地だからこそ、有効に利用できる。民間連携してさらに有効に駅前を使ってもらわないと。これが民間地だったらこうは言えない。市の土地だからこそ、利用について意見が言える」
移転せずに現状維持を望む一部の声には、老朽化対策がこの議論のスタートになった点を踏まえた上で「市が掲げる安心・安全のまちづくりを進める上でその拠点をどうするのか。その点を考えてほしい」と理解を求める。交通公園がリニューアルにより駐輪場の屋上に建設されるといった誤った情報が流れ、錯綜していることを「残念」とした上で、「設計はあとの話。まずは理解してもらい、建設的な意見のもとで案を前に進めてほしい」と広く呼びかける。
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