書道や茶道、華道、舞踊などの芸道の修練に使用して、傷んだり壊れたりした道具を供養するための「供養塚」が、寸沢嵐にある日蓮宗寺院・伯凰院(佐藤玄宗住職)に建立された。5月12日に建立除幕式が行われ、関係者約30人が持ち寄った古道具を火の中に投じて、感謝の思いを込めて焚き上げた。
供養塚は、主に県内を拠点に活動する書道家や華道家、茶道家ら23人が発起人となって建てられた。高さは台座部分を含めて約2m。石碑には真鶴町で採掘された本小松石、台座には群馬県の三波石が使われている。
発起人の一人で、建立を主だって進めた茅ヶ崎市書道協会会長の松永光鳳さんら書家たちの談話の中で、自分たちが向学のために使ってきた筆を供養する筆塚を建てようという話が持ち上がった。
日本には書道以外にも様々な芸道があるため、「筆に限らず芸術全体を通して道具を大切に」という趣旨から、様々な分野の道具を供養できる碑の建立を計画。昨夏頃から寄付を募ってきた。石は神奈川県民書連会長で、造園業を営む石井泰山さんが寄贈。厚木書道協会の会員で、書を通じてつながりがあった同寺の佐藤住職が境内の一部を建立地として提供した。
「一つひとつに魂」
5月12日に行われた除幕式には発起人ら関係者約30人が参加。碑文を揮毫した松永さんが「日本の芸術文化がこれからも発展するよう、道具を供養して明日からまた芸道に励みたい」と述べた。その後、佐藤住職が護摩壇の前で経を読み、参加者が一人ずつ焼香をして、持ち寄った筆や茶筅、扇子などを焚き上げた。佐藤住職は、「道具には一つひとつに気持ち、魂が入るもの。大事にしなければいけない」と芸道に臨む心構えを説いた。
今後、毎年5月に同寺で焚き上げ式を行う予定。供養したい道具があれば随時、無料で受付ける。宗派などは不問だが人形や位牌、仏壇、仏具などの供養は不可。松永さんは「鉛筆1本でも道具に感謝して供養をしてもらえれば」と話している。
問合せは同寺【電話】042・685・1390へ。
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