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西日本豪雨被害 市、職員派遣し災害支援 保健師らが広島へ

社会

掲載号:2018年8月16日号

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西日本豪雨により被害を受けた竹原市内。中央は賀茂川=提供写真
西日本豪雨により被害を受けた竹原市内。中央は賀茂川=提供写真

 西日本を中心に甚大な被害をもたらした平成30年7月豪雨(以下西日本豪雨)から今日で1カ月半ほどが経過した。死者・行方不明者あわせ230人、負傷者は388人に上る豪雨災害から被災地はボランティアや地域住民らの手により徐々に復興の歩みを進めているが、相模原市も災害支援のため、7月中旬から8月上旬にかけて職員や保健師を現地に派遣。本紙では実際に派遣された職員らにインタビューを行い、現地対応や被災者との交流の様子などについて話を聞いた。         (8日起稿、被害数字は7日時点)

 総務省からの要請を受け、7月13日から18日にかけて被災地に派遣されたのは市緊急対策課主幹の河野玄治さんと同主査の山下浩史さん。20の指定都市からなる「指定都市市長会」の現地調整要員として広島県庁に派遣され、支援を必要とする被災地域に対して政令市などの職員を割り当てるマッチングの業務を行った。相模原市としては2016年4月に起きた「平成28年熊本地震」での避難所への勤務員派遣などの実績はあるが、こうした指揮系統の業務は初という。

 今回の西日本豪雨から国は新たに「被災市区町村応援職員確保システム」を適用し支援にあたっている。熊本地震を契機に今年3月に構築されたもので、今回の業務は被災自治体と支援都市をパートナーとする「対口支援方式」に基づいて行われた。山下さんは「初のシステムで不安もあったが、他の自治体とも一丸となり取り組めた」とし、河野さんは「各自治体が集まり支援を行う形はなかなか無い。職員の方も皆さん意識が高く心強く感じた」と話した。

 現地対応を終え、相模原での今後の災害時の対応について山下さんは「他からどう支援を受けるか、いわゆる『受援』の体制を強化する上で参考になった」とした。河野さんは「被災自治体の被害状況が伝わりづらい中で広島県の方が苦労されていた。相模原でも被災情報をどう集約していくか、また迅速な応援体制についても改めて考えなければいけない」と話した。

「つながりの大切さ実感」

 緊急対策課の職員が指揮系統の職務を担った一方、市保健所の保健師らは7月24日から8月2日にかけて広島県竹原市に派遣され、健康支援活動などを行った。

 保健師らが派遣された竹原市は、人口約26000人。瀬戸内海に面した都市で、西日本豪雨では4人の命が奪われている。4日間現地に派遣され、支援にあたった保健師の野村洋子さんは、主に内陸の地区を担当。一部には土砂災害による通行止めや道幅が狭くなった道路などが見受けられたという。現地では被災者宅を個別訪問し、被害状況や体調、健康面などの聞き取り、加えて、水の配給やボランティアセンター、相談窓口などを紹介した。不在宅には普及啓発のチラシや手紙を残したという。野村さんは「1次隊の派遣時は被害から2週間が経過していて被害が分かりにくい状況だったが、実際回ると、床上浸水の影響で家の中が泥だらけのお宅もあった」と現地の様子を振り返る。同市は在来線が復旧しておらず、交通手段は広島空港からのタクシーや車などごく一部。報道も少なくボランティアの数は不足しており、被災者の中には「支援がなかなか無い中で、自分たちで片づけをしていたら熱中症や破傷風になりかけた」と感情を露わにする人もいたといい、野村さんは「見えない所で水害の被害は続いていくと感じた」とした。

 比較的被害が少ない竹原市内の被災者宅を回ったのは保健師の室伏由紀子さん。個別訪問する上では、災害時に調査員になりすまして高齢者を狙う詐欺が過去に横行していたこともあり、「まず私たちが安心してもらえるよう、被災者の方と『お話をしにいく』ということを心がけた」と話す。

 被災地域で印象に残ったことについて二人は、「現地の人の優しさ」と口をそろえた。地図を見ながら家を探している際に声をかけてくれる人や、水の配給時に他の家を心配する被災者もいたという。野村さんは「竹原市の皆さんはとても温かく、また自治会や民生委員、保健師など地域のつながりが強かった。市や保健所が把握するだけでなく地域全体が連携すれば命を守ることにつながるし、災害時はとても大切なことだと学んだ」と話した。

 今後、市では派遣職員らの経験をもとに必要な際にはマニュアルの書き換えを行い、被災地域からの要請が届いた際は、即時支援にあたる姿勢を示している。

取材に答える山下さん(左)と河野さん
取材に答える山下さん(左)と河野さん
市保健所の野村さん(右)と室伏さん
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