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相生片桐孝子社長 堅実経営で「平成」乗り切る 夫の思い継ぎ、猛進の25年

社会

公開:2019年1月1日

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インタビューに笑顔で答える片桐社長
インタビューに笑顔で答える片桐社長

 相生で不動産業を営む片桐孝子(よしこ)さん(80)は前社長の夫の遺志を受けて25年にわたり社業に従事し、所属協会からもその功労を称えられている一人だ。厳しい不動産業界にあって激変の平成を乗り越えられた陰には、周囲に流されない堅実な経営と、懸命に働き続けた経営者としての使命感があった。    =中面に特集「振り返る平成 切り拓く新時代」

 「社長になるなんて想像もしなかった」。片桐さんが経営する共立不動産は元々、夫・洋逸(よういつ)さんが創業。事務所が相生に移転したのを機に、片桐さんが手伝うことになった。ところが、平成6年に洋逸さんが病に倒れる。廃業の危機だったが、関係先の地主たちは片桐さんに後を継ぐことを望んだ。こうした周囲の期待に押される形で片桐さんは引き継ぐことを決心。洋逸さんが亡くなるまでの半年間、片桐さんは不動産経営のノウハウを学んだ。洋逸さんが亡くなった7年に社長に就任。不安感に駆られる中、「やるしかない」と自身を奮い立たせる日々が続くも、やはり支えとなったのは地主などそれまで洋逸さんが築いた信頼関係の強い顧客たちだった。そして激変の不動産業界を乗り切る糧になったのも、洋逸さんが貫いた堅実経営だった。

バブルも「地に足付けて」

 不動産の高騰に伴い沸き起こった平成のバブル景気は相模原にも押し寄せ、活況を見せた。盛んに土地が売買され、道路整備も進み、風でほこりが舞っていたようなそれ以前の環境は姿を消した。業績好調な同業者も多かった一方、株に手を出し凋落する仲間も。そうした中でこそ、「地に足を付けて」という夫の堅実な経営理念を基盤とし賃貸、仲介を中心に地道な経営に専念。当時を「継続することだけしか頭になかった」と回想する。社長就任当初4人だった従業員は10人に増え業務も順調に拡大。「とにかくバリバリ働いた」。

 風通しの良い環境づくりに力を注ぎ、休暇取得や業務の効率化などを率先して進める。社内の清潔感を大切にし、社員のあいさつにも目を光らせる。「住まいを扱う者として印象は大事。あいさつは基本」といった姿勢からは女性としての細やかさがにじむ。

 今年は社長となって25年目の節目となる。後進に譲る考えを明かすも働く意欲は満々。周りからは自適に過ごすよう促されるが、「元気なうちは働きたい。仕事が楽しい」と声が弾む。「目まぐるしかった」と表する平成が終わり、まもなく訪れる新たな時代を「前進あるのみ」と言い切った後、こう付け加えた。

 「地に足を付けてね」

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