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支援活動を未来に生かす

社会

公開:2019年3月14日

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「お茶っこ」を楽しむ住民と相模女子大の学生たち
「お茶っこ」を楽しむ住民と相模女子大の学生たち

 震災直後の2011年6月、復興支援への参加を望む相模女子大生の有志約40人が市の協力のもと大船渡市に赴き、炊き出しを行った。これを契機に活動を重ね、大船渡の住民から交流の継続を依頼されたことから同委員会を結成。2月と9月の年に2回にわたり訪問を続けている。主な活動は、復興アパートに住む高齢者とお茶を飲んでおしゃべりに興じながらお菓子を楽しむ岩手県の方言「お茶っこ」という習わしを楽しむこと。住民の心のケアが目的で、訪問中はそれに加えてビンゴ大会なども行い、皆が盛り上がる企画で住民たちを和ませている。今年2月に訪問した際は子どもたちも参加し会場は大盛り上がりだったという。

 住民との会話では、メンバー自ら震災について触れないよう注意を払う。まずは住まいについて尋ね、相手から話を切り出す形だ。4月から同委員会の委員長を務める清水莉胡さん(同大2年)、副委員長の曽川虹奈さん(同)は全体をリードする傍ら、こうした住民への心配りを大切にしている。以前、福島県郡山市に住んでいたことがある曽川さんは「東北のために支援したいと思っていた」と話し、これまでの活動を通じて清水さんは「4回現地に伺いましたが、震災には慣れないし、慣れてはいけないと思います」と心情を吐露する。

 支援活動を続ける中、15年からは新たに大船渡市の市花・椿の魅力を地元の子供たちに伝える「椿プロジェクト」を実施するなど活動の幅を広げている。昨年は現地にある商業施設・キャッセン大船渡でのイベントに初めてブースを出展、椿の認知度アップを図るPRを行った。ブースには多くの人が訪れ、皆笑顔を見せていたといい、清水さんは「復興の象徴のように感じました」とその時の様子を振り返る。

「次いつ来るの」が励みに

 「お茶っこ」を続けるうちに、住民がまるで孫を待つように迎えてくれるように。「次いつ来るの?それまで生きていなきゃね」と嬉しそうに話す住民もいる。同委員会の訪問が迫って来るとポスターなどで周知してくれるのは、歓迎の証だ。「支援に行っているのに、逆に元気、勇気をもらっている」と清水さん。メンバー全員が大船渡を「第2の故郷」のように感じている。

 震災の風化が懸念される中、震災について触れる機会が減ってきている現状もある。それでも、将来保育士をめざす清水さんは取るべき備えについて現地の保育士から助言されたことを挙げ、「今後、子どもたちに伝えられるようにしたい」と意気込む。人間心理学科で学ぶ曽川さんは、「学科で学んだことを生かせるよう現地の住民たちの話を聞き、もっと震災を知る機会を増やしていきたい」と展望を示した。

 大船渡の復興のために、自分たちにできることは何か。未来を担う若い学生たちは手探りしながらも、精いっぱいの力で支援に臨んでいる。

復興支援学生ボランティア委員会清水莉胡さん曽川虹奈さん二人とも現在大学2年生。支援活動を通じて大船渡の魅力向上にも力を入れる。
復興支援学生ボランティア委員会清水莉胡さん曽川虹奈さん二人とも現在大学2年生。支援活動を通じて大船渡の魅力向上にも力を入れる。

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