さがみはら中央区版 掲載号:2019年4月25日号 エリアトップへ

相模原平成史 回顧 -最終回- 「はやぶさ2」に思い託す 初代から続く挑戦

社会

掲載号:2019年4月25日号

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津田雄一さん(43)=JAXA相模原キャンパスで小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトマネージャ大学卒業後の2003年にJAXAの技術者となり、初代はやぶさプロジェクトを経て、現在はやぶさ2プロジェクトに尽力する
津田雄一さん(43)=JAXA相模原キャンパスで小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトマネージャ大学卒業後の2003年にJAXAの技術者となり、初代はやぶさプロジェクトを経て、現在はやぶさ2プロジェクトに尽力する

 平成元年に相模原に移転してきたJAXA宇宙科学研究所。現在、小惑星リュウグウでのサンプルリターンミッションに挑戦している探査機はやぶさ2は、世界中の注目を浴びる。「絶対に地球に還す」。携わる600人の技術者たちの揺るぎない思いは、80年代から開発が進められ、長い歳月をかけ帰還を果たした初代はやぶさプロジェクトから受け継がれている。

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 はやぶさ2のミッションは、リュウグウからサンプルを持ち帰り、生命の起源解明の糸口を見つけること。初代はやぶさが燃料漏れや音信不通など幾多の困難に見舞われたことから、トラブルの少ない確実なミッションの遂行が求められた。はやぶさ2プロジェクトの総責任者を務める津田雄一さんは、開発の段階で、何百項目にも及ぶ問題点に向き合ったという。「開発は一筋縄ではいかないもの。見落としがあると必ずそこが障壁となる」。自身が初代はやぶさプロジェクトに携わっていた頃、「絶対に成功させてやる」という責任感のもと困難に立ち向かう先輩技術者の姿を見た。はやぶさ2開発に従事する中で、探査機が思い通りに動かないなど不測の事態もあったが、初代はやぶさの経験と責任ある立場から、「リュウグウは待ってくれない。自分たちが頑張るしかない」と気持ちを奮い立たせた。こうして2014年、はやぶさ2は多くの技術者に見守られ宇宙へ。開発にかけた思いが結実した瞬間だった。

「はやぶさの借りを返した」

 今年2月、はやぶさ2はいよいよリュウグウへの着陸を図った。その様子を管制室で見守った津田さん。「困難なことへの挑戦が成功したとき、何事にも代えがたい感動が待つ。この瞬間を夢見てやってきた」。全身全霊をかけて作り上げたはやぶさ2が無事に着陸すると、仲間たちと握手し抱き合った。側には、心から笑顔を浮かべる初代はやぶさの総責任者・川口淳一郎さんの姿。「はやぶさの借りを返しました」という津田さんの言葉に、いつもは厳しい川口さんも笑ってうなずいたという。「初代はやぶさから続く技術者たちの思い、宇宙科学研究所の歴史、それらを一つ叶えられた瞬間だった」

 現在、はやぶさ2はサンプル採取のため、2回目の着陸をめざし、生成したクレーターの状態を見極めている。「令和2年、必ずはやぶさ2を地球に還す」。初代はやぶさの思いを受け継ぐ技術者たちの飽くなき挑戦は続く。

※このコーナーでは、相模原での平成史30年の特筆すべき出来事について、その関係者に話を聞き、当時を振り返ります

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