弥栄高校で日本史教諭を務める永瀬一哉さん(63)がこのほど、カンボジア情報省のアドバイザー(顧問)に任命された。政府の「お墨付き」として交渉の際の調整役などを行うもので、日本人の任命は初となる。
人道支援続け30年
永瀬さんは日本史教諭として勤務する傍ら、相模原を活動拠点とするNPO法人「インドシナ難民の明日を考える会」の代表を務めている。同団体は1990年の設立当初から、市内のインドシナ(ベトナム、ラオス、カンボジア)難民への教育支援に注力。加えて定期的にチャリティーイベントを開催して活動資金を募り、カンボジア本国への学校、図書館の建設や井戸の寄贈、医療支援などを行っている。2016年には現地の米を5トン、翌年にはラーメン3000食をカンボジア政府に提供した。
こうした長きにわたる人道支援活動が評価され、推薦を受ける形でこのほどアドバイザーに就任。同国から送られてきた任命書には、情報省のアドバイザーとして人道支援分野を担当する旨が明記されているほか、内閣や国営のテレビ局、ラジオ局などが積極的に永瀬さんに協力していく義務について触れられている。
永瀬さんは「今までやってきたこと、実績を認めてもらったと思うので、これに恥じないように生きていきたい。今後も支援を続けていければ」と話している。