さがみはら中央区版 掲載号:2019年9月12日号 エリアトップへ

県立相模原公園内のカフェで働きながら、出張珈琲サービスの代表を務める 宮田 貴文さん 光が丘在住 46歳

掲載号:2019年9月12日号

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笑顔のために淹れる1杯

 ○…生活介護事業と就労継続支援を行う、「社会福祉法人アトリエ」の事業所の利用者で、知る人ぞ知る市内の「愛されキャラ」だ。相模原公園内の大温室で憩いの場となっている、通称「植物園カフェ」は同法人が受託して運営する出張所。そこで働く傍ら、「出張ミヤタ珈琲」として認知症カフェやシニア交流会などにおもむき、自慢の珈琲をふるまう。「1杯350円でどこでも駆け付けます」と話す表情には、充実ぶりが滲む。

 ○…小学6年生の頃、知的障害と診断を受けた。同級生と学力が離れていくことにもどかしさを感じる父親の姿は、今も忘れられない。上溝中学校の研究学級、相模原養護学校を卒業した後は、幼稚園で清掃員を20年間務めるなど、懸命に生き方を模索してきた。昨年夏、旧知の仲だった「最愛の女性」が植物園カフェの店長になったことで、「自分もここで働きたい」と転身を決意。シャツとスラックス、蝶ネクタイ姿が好評で、支配人の肩書きを与えられた。担当業務はコーヒーのドリップと接客。レジ打ちはできないが、「できること」を頑張っている。

 ○…定休日は月曜のみと多忙な日々だが、動物好きな彼女との時間が至福のひととき。ペットショップを訪れたり、ランチを共にしたりと、デートを楽しんでいる。美味しい珈琲の淹れ方の研究にも余念がない。

 ○…「何をしたら人に喜んでもらえるか。自分にとって、それは笑顔で働くこと」。ありのままの姿で働くことが障害者理解へとつながるという、好循環を生み出している。自身の個性は現在の環境、共に働く仲間が引き出してくれた。「自分の居場所、やりたいことが見つかった。いつか、仲間の顔を側面に描いたキッチンカーで珈琲を届けたい」。夢はふくらむ。

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