丘 修三さん(本名:渋江孝夫さん)
独自の世界観 子ども魅了
○…郷土在住で日本を代表する児童文学者を紹介する企画展が12月1日(日)まで、吉野宿ふじやで開催されている。ペンネームの『丘修三』は「世の中どこか『オカシイゾ』」をもじってつけた。独自の視点から子どもたちの感性に訴える著作は評価が高い。11月17日(日)、23日(土)、24日(日)の午後1時30分からは自身も参加する朗読会が開催される。「自分の作品を読むのは照れるが、私の作品の朗読を聞いて個々に何か感じていただけるものがあれば嬉しい」
○…大学で障害児教育を学び、国立、都立の養護学校の教師として25年勤務した。42歳の時、病気入院中に児童文学に目覚め、以来50冊近い本を出版。作品は短編小説が多く、中でも、障害者のありのままの現実を描き、日本児童文化学者協会新人賞、坪田譲治文学賞や新見南吉文学賞を受賞した名作『ぼくのお姉さん』も6作の短編で構成されている。「障害者を扱った作品は彼らをいたわるという視点のものが多い。そんな中、健常者の彼らに対する差別や視点をありのままに書いた」と紹介する。
○…趣味は絵画に俳句、書など幅広い。1995年に府中市から転居。4人の孫を持つ優しいおじいちゃんでもある。「藤野は自然豊かな住むには素晴らしい場所。芸術家の方も多く在住していて、執筆活動にも適している」
○…ここ数年は主宰する文芸誌『はやし』などを通じて、後進の育成に力を注ぐ。「もう少し言語力と構成力を勉強して欲しい」と若手作家に注文を付けるが、斬新な着眼点やストーリー展開は素晴らしい素質をもつ作家が多いという。「我々世代とは感覚が違うが、良い作品は数多くある。昨年も『はやし』から2人が本を出版できた」と嬉しそうに話した。
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