神奈川の「四天王」と定め、打倒を目指してきた東海大相模・横浜・桐光学園・慶應。その一角である横浜を撃破し、4強に名乗りを上げた昨夏の躍進は記憶に新しい。
コロナ禍は春季大会に向け佐相眞澄監督(61)がメンバーを選ぼうとした矢先のことだった。3月から部活動は休止。練習は個々に委ねられた。「まだ可能性はある。甲子園を諦めるな」。佐相監督は選手たちに言い続けた。しかし、無情にも夢の舞台は、挑戦する道すら閉ざされた。
「さあここから、という時に止まった。落胆はあった」と濱口優太郎主将(3年)は振り返る。しかし、選手たちは代替大会の可能性を信じた。集まれない期間は会議アプリ「Zoom」などを駆使してオンラインで意思疎通を図った。個々で練習に励み、その内容や目標は「LINE」で共有。切磋琢磨しあった。
「自分たちは『甲子園一勝』を目標に掲げてきた。それが無くなった」。ならば、これからの目標をどうするのか。濱口主将を中心に選手らは話し合った。そして出した答えは、「ブレないでいこう」。「自分たちは『甲子園一勝』という目標を果たせなくても、後輩に戦う姿を見せることで伝えられることがある」。目標を叶える場は失ったが、それを目指した自分たちの背中を後輩に見せることはできる。選手のモチベーションが下がることはなかった。
同校は県内屈指の進学校としても知られる。佐相監督はオンライン会議で3年生に、「代替大会の可能性はありそうだが、引退して進学に切り替えてもいい」と投げかけたことがあった。濱口主将は答えた。「皆、気持ちは決まっています。全員で参加します」
「今、チームは一致団結している。束になって良い雰囲気で向かえる。一つひとつ目の前の勝ちにこだわり、その延長で優勝できれば」と大会へ向け濱口主将は意気込む。佐相監督は「やってみないとわからない」と練習不足への不安を見せる一方、「夏本番に強いのがうちの良さ」と、自主性に委ね信じた選手の成長に期待を隠さない。
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