近年、日本では多くの台風や豪雨、暴風が甚大な被害をもたらしている。今年7月には西日本から東北地方の広範囲に大雨を降らし、九州地方の大河川で氾濫が相次いだ「令和2年7月豪雨」が発生。本格的な台風シーズン前に、相模原市消防局の青木浩局長に話を聞いた。
「最近は短時間に非常に激しく雨が降ることも多く、河川の急激な増水や住宅への浸水などの被害が発生している」と危惧する青木局長。土砂災害は1時間に20mm以上の強い雨が降ったり、降り始めてからの雨量が100mmを超えたりすると起こりやすく、現在降っている雨だけでなく、これまでに降った雨による土壌中の水分量も関係していることがわかっているという。「降雨の影響による川の氾濫や土石流、がけ崩れなどには注意が必要」と警鐘を鳴らす。
台風19号の現場では
昨年10月、記録的な豪雨により、相模原市内にかつてない規模の被害をもたらした「令和元年東日本台風」。その時、消防隊員は総力をあげて救助や救急活動にあたっていた。「河川の増水による浸水や土砂崩れによる道路寸断などで、近づくことができない被災現場が発生し、活動は困難を極めた」。特に緑区牧野地区で発生した土砂災害の現場は「消防隊員でも足が震えるほど被害が大きかった」と振り返る。捜索活動には市消防職員だけで延べ約800人が現場に派遣され、県内の消防本部や警察、自衛隊なども協力した。2次災害も危ぶまれる現場で約1カ月間、「ドローンや重機投入など、持てる力を全て使い、昼夜を問わず懸命な捜索救助活動を続けた」。その結果、2人の行方不明者を発見することができたという。
災害から得た教訓
非常用持ち出し袋を準備するのはもちろん、台風接近前には飛ばされやすい物の片付けや窓ガラスの飛散防止対策などの、事前準備が重要だと説く。「集中的な雨が降れば何が起きてもおかしくない」と語気を強め、雨が降り出したら「気象警報を気にかけ、ハザードマップの記載に関係なく、自分の身の危険を感じたら安全な場所に移動してほしい。その際には、必ず火の始末を」と呼びかけた。
避難が遅れたり移動が危険な場合には、土砂災害警戒情報にも気にかけ、家の2階など、できるだけ安全な場所や近くの頑丈な建物へ避難。「雨がおさまっても河川を見に行くなど、むやみな外出は避けてください。命を守るには事前の備えと行動が大切であることを覚えておいていただくようお願いします」
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