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SDGs特別座談会 官民の強み生かし 達成へ 市SDGs推進室×相模原JC×津久井JC

社会

公開:2021年1月1日

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 世界が抱えるさまざまな問題を解決するために17項目の目標を定め、2030年までに国際社会全体で達成をめざすSDGs。昨年4月に市が新設した「SDGs推進室」の初代室長を務める丸小野美紀さん、市内を拠点に活動する青年経済団体で、共に積極的にSDGsの推進に取り組む相模原青年会議所(青年会議所は以下JC)の飯塚侑理事長、津久井青年会議所の久保武史理事長の3人に、目標達成に向けた取り組みを語ってもらうとともに、市の方向性や市民・企業によるSDGsの可能性を探る。

 ―まずは、みなさんがSDGsに取り組むようになったきっかけを教えてください。

飯塚 相模原JCが取り組みを始める前段で、2019年に親会の日本青年会議所が、日本で最もSDGsに取り組む団体をめざすと宣言したのが大きなきっかけです。そこから各JCで取り組みが始まりました。津久井JCもそうですよね?

久保 そうですね。それともう一つ、津久井JCでは16年の津久井やまゆり園事件以降、共生社会推進の議論が起きていました。そうした中で、日本JCの推進宣言があり、共生社会とも理念が合うSDGsを進めてきました。

丸小野 SDGsが全世界の共通目標であり、本市も国際社会の一員であるということから、積極的にSDGsに取り組む必要があると考えています。目標達成に向けて取り組むことは地域課題の解決や新たな価値の創造、地域創生につながるものと考えます。

 ―相模原市は19年3月に相模原JCと、同年12月に津久井JCと「SDGs協働推進宣言」を結んでいます。宣言の目的とこれまでの取り組みについて教えてください。

丸小野 達成に向けて企業、団体、行政などがそれぞれの強みを生かしつつ連携を強化して取り組みを進める必要があることから、両JCと協働推進宣言を行いました。これまで、各種イベントでのSDGsブース出展、SDGsフォーラム、SDGs大作戦での市長講演など、主に市民への普及啓発を連携して実施してきました。

教育・ビジネスに注目

 ―SDGsの推進について、JCの考えや提案を聞かせてください。

久保 津久井JCではキーとなるのは若年層だと考えており、SDGsを子どもたちに学んでもらう取り組みを考えています。個人的には、SDGsの達成目標である2030年に日本を動かす世代である小中学生へ教育機会を提供したいです。そして私たちも共に学びたい。昨年から少しずつ始めていて、今年もいろいろな形で進めていきたいと思います。

飯塚 企業にとっては、SDGsをビジネスにつなげる仕組みを作ることが大きな課題です。これはJCだけではできないことなので、行政とも相談しながら作れたらおもしろいと思います。一方、先ほどのお話にもありましたが、教育の部分では子どもが自ら考え、自分で答えを出していくような教育が必要です。その事例を相模原の企業はたくさん持っているはず。それを子どもたちに示せる教育ツールを新しく作ろうと思います。

久保 ビジネスで言えば、津久井JCでは、先輩が木材加工などで排出される「おがくず」を再利用するという仕組みづくりに成功した事例があります。そこにJCメンバーが関わり、お互いに利益を生むという相乗効果が得られています。

 ―市はJCにどんなことを期待していますか。

丸小野 JCには相模原をより良いまちにするためのさまざまな取り組みを進めていただいています。特に時代を読む力やスピード感、情報発信力はすばらしい。SDGsは「意識が高い」「きれいごと」などという印象を持たれる場合もあり、必要性を訴えてもなかなか行動につながらないような部分があると思います。そこで、JCの若いパワーや人を巻き込む力を活用し、「SDGsに取り組むことはかっこいい」「当たり前」という雰囲気を醸成していただきたい。これまではJC主体のSDGs推進事業に市が参加するという形が多かったのですが、今後は計画段階から連携してより良い事業展開を図りたいと考えています。

「パートナー制度」で取り組み加速

 ―次に、それぞれの特徴・特性に合わせた取り組みを教えてください。

久保 津久井JCは恵まれた自然を生かした取り組みです。そして、行動できる人間を育てていかなければいけないので、子どもたちに自分で考えてもらう機会を多く作りたいと思っています。

飯塚 相模原JCは経営者、企業幹部、サラリーマンと、以前よりもメンバーが多様化して、風土が変わりつつあります。だからこれからは、その多様性をしっかり生かしていくことが重要だと思います。

丸小野 行政の特徴は、市民一人ひとりとの距離が近いことと、幅広い分野・世代の人と接点があること、それらを生かした普及啓発を行えるということです。例えば、市役所ロビーや公共施設などでSDGsの展示やポスターの掲示、リーフレットの配架など、広く周知ができます。また、小中学校の総合学習などでSDGs授業を実施したり、大学生への食材配布事業を通じて啓発などを行ったりしています。2つ目は、さまざまな分野の団体とのつながりです。経済、環境、社会、あらゆる分野のつながりがありますので、市民、企業、団体をつなぐ役目ができます。それぞれの取り組みをつなぐことができる特徴を生かし、昨年「さがみはらSDGsパートナー制度」を創設したところです。

飯塚 その制度については、パートナーに登録された後のことをみなさん気にされると思います。

丸小野 はい、決して登録して終わり、ではありません。コロナの状況を見ながら、まずは行政も含め、パートナー同士のつながりを深める場を作っていきたいと思っています。そして、取り組みの事例を発表していただくなど、パートナーであるメリットを何らかの形で示していかなければと考えています。

飯塚 相模原市独自のSDGsアワードとか、開催しないのですか。

丸小野 一昨年、JCが開催していましたが、市が参加することで、よりオフィシャルなものになるのであれば、ぜひ一緒に企画段階からアイデアを出し合えればと思っています。

飯塚 やりましょうよ、ぜひ。市と津久井JCと私たちと、一緒にやったらおもしろいですね。

久保 そうですね。パートナーにエントリーはしているけれど、積極的な取り組みはまだ始めていない、という人もいるかもしれませんしね。

飯塚 実現すれば、パートナーに登録された人たちの取り組みが、より加速すると思いますよ。

「当たり前」の社会へ

 ―実際のところ、SDGsは相模原にどのくらい浸透していると考えていますか。また、市がめざすゴールとは何を指すのでしょうか。


 未来のため、まず意識から

相模原青年会議所 理事長飯塚 侑いいづか ゆう…公益社団法人相模原青年会議所第56代理事長。1984年生まれ。2014年6月相模原青年会議所入会。緑区大島在住、緑区中野出身。飯塚塗研株式会社代表取締役
相模原青年会議所 理事長飯塚 侑いいづか ゆう…公益社団法人相模原青年会議所第56代理事長。1984年生まれ。2014年6月相模原青年会議所入会。緑区大島在住、緑区中野出身。飯塚塗研株式会社代表取締役
相模原市政策課SDGs 推進室 室長丸小野 美紀まるおの みき…相模原市市長公室総合政策部政策課SDGs推進室室長。1971年生まれ。1992年4月相模原市役所入庁。南区在住。市SDGs推進室室長を2020年4月の発足時から務める
相模原市政策課SDGs 推進室 室長丸小野 美紀まるおの みき…相模原市市長公室総合政策部政策課SDGs推進室室長。1971年生まれ。1992年4月相模原市役所入庁。南区在住。市SDGs推進室室長を2020年4月の発足時から務める
津久井青年会議所 理事長久保 武史くぼ たけし…公益社団法人津久井青年会議所第40代理事長。1981年生まれ。2010年1月津久井青年会議所入会。緑区中野出身・在住。有限会社津久井自動車専務取締役
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