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本村市長 インタビュー コロナ後へ舵取り 柔軟に

社会

掲載号:2021年1月7日号

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昨年を振り返り、今年の市政を語る本村市長
昨年を振り返り、今年の市政を語る本村市長

 --昨年(2020年)を振り返っての感想をお聞かせ下さい。

 JR相模原駅の北側に位置する相模総合補給廠の共同使用区域内に、「相模原スポーツ・レクリエーションパーク」が11月14日にオープンしました。今後は、令和3年度に人工芝グラウンド、4年度にボール遊び広場、5年度に人工芝の軟式野球場、6年度には駐車場と管理棟が完成する予定です。段階的に整備を進め、「いよいよ基地が返ってきたな」と市民が実感できるようになっていくと思います。最終的には、残りの約197ヘクタールも返還して、まちづくりを進めたいと思っています。

 最後に、小惑星探査機「はやぶさ2」が12月6日、6年もの歳月を掛けて、小惑星リュウグウから採取したサンプルを、格納したカプセルに入れ地球に帰還させるという壮大なミッションを見事に成し遂げました。JAXAが相模原に来て31年、市民に親しみ愛されていますので、連携して宇宙のまちとしてプロモーションしていければと思っています

 --今年、重点的に取り組むべきことを教えて下さい。

 何といっても、今年はウイズコロナ、ポストコロナを見据えた対応を考えていかねばなりません。例えば、緑区の藤野総合事務所の会議室棟を活用し、7月を目安に、テレワークの実証運営を予定しています。非接触、非対面となり、大分日常生活の形が変わってくると思います。最大の課題の一つにワクチン接種がありますが、これをいかにして72万市民に誰一人残らず対応できるようにするかが課題です。経済対策としては、市内店舗でのスマートフォン決済利用者に対しポイントを還元する事業や、観光産業の特色であるキャンプ場について利用者への助成などを行うマイクロツーリズム促進事業を実施していきます。また、小・中学校や公園トイレなどの手洗い場の自動水栓化、避難所・避難場所の空調設備整備の試験的な開始、オンラインでの口座振替受付サービスの導入などにより、行政サービスを非接触や非対面で完結する環境を整えていきたいと思っています。

計画精査見直しも辞さず

 --厳しい財政状況下、難しい市政運営が予想されますが。

 市税収入は、感染症拡大の影響により、かなりの減収が見込まれており、市政運営はこれまでになく厳しさを増します。このままですと、今までの予算枠内配分の19%のマイナスシーリングをかけなければならないところまできています。これに対応するためには、大事業も予算の裏付けのないものは見直さなければなりません。6年後にリニア開通が予定される橋本駅周辺の整備など数百億円の投資が必要となっても進めていかなければならないもの、反対に中止にするもの、新たに計画を立て直すべきものなどしっかり精査した上で判断していきます。「立ち止まる市長」など厳しい批判の声もいただいていますが、一度立ち止まって計画を見直さなければならないと思っています。将来的にはさらに、民生費、扶助費の見直しも必要なところまできています。引き続き、感染症の影響にも的確に対応しながら、総合計画基本構想に掲げた将来像の実現に向け、先頭に立ち、取り組んでいきます。

 こうしたことを踏まえ、前例にとらわれない行財政構造改革が必要です。一昨年9月末時点における長期財政収支の仮試算を行ったところ、令和2年度から9年度までの間に、累計で約768億円の大幅な歳出超過が生じるという厳しい数字が示されました。「(仮称)相模原市行財政構造改革プラン」は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、2度にわたりスケジュールを延期しましたが、昨年10月以降、「行財政構造改革本部会議」を再開し、今年3月末までに同改革プランを策定できるよう取り組んでいます。同プランの計画策定も、令和3年度から5年度までを「第1期」、6年度から9年度までを「第2期」と位置付け、「第2期」から抜本的な改革を実施することとし、「第1期」は検討・意思決定を行い、先行可能な改革項目から実施していきたいと考えてます。

 さらに市民から提出される申請書の押印廃止等に向け、全庁的に手続の見直しに着手しています。これまでも取り組んできましたが、より一層押印廃止を加速させ、市民の利便性、効率性を追求し、その先にあるペーパーレスや電子申請などのICTの積極的な活用に向けて取り組みたいと考えています。

 --SDGs、シビックプライド条例についてお話しください。

 SDGsについては、市の最上位計画である「総合計画」において、積極的な取り組みを進めています。具体的には、昨年はSDGs推進室の設置や、仕組みについて分かりやすく説明した「特設サイト」の開設、全国自治体で初となる相模原市オリジナルデザインの「SDGsカードゲーム」の作成など、子どもたちに向けての普及・啓発に努めてきました。そうした中、7月に国から「SDGs未来都市」に選定されましたが、選定後に何をするかが重要になってきます。企業や団体などの取り組みを後押しする「さがみはらSDGsパートナー制度」を創設し、150の企業・団体などが登録しています。もっと登録を増やし、これらの企業と対話をする機会を作り、取り組みを聞きながら、我々行政に望む点、どのように推進していくか聞いてみたいと思ってます。

 シビックプライドは、市民が相模原市に対し、「誇り」、「愛着」、「共感」を持ち、「まちのために、自ら関わっていこうとする気持ち」のことですが、相模原は3区に分かれており、それぞれ特色が違います。相模原には、多彩な魅力や多くの資源があるにも関わらず、シティセールスがうまく機能しておらず、市民に十分に伝わっていないと感じています。こうしたことを打破するためには、市民全員がシティセールスサポーターになっていただければ、これほど強いものはないと感じています。そうした中、一昨年11月に「シビックプライドの推進に関する検討委員会」を組織し、昨年10月には、条例案の骨子について答申を受けました。現在、条例案に関するパブリックコメントを実施しています。条例を制定するにあたり、大切なのは子どもたちにも分かる親しみやすく簡素化したものにすることです。3月の市議会定例会議に条例案を提案したいと考えています。

五輪開催を発展につなぐ

 --延期となったオリンピックが開催されます。

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会については、1年の延期となりましたが、いよいよ、今夏に開催されます。一つの特長として、相模原の津久井産材が選手村のビレッジプラザで使用されています。大会後には戻ってきますので、レガシーの創出にも取り組んでいきたいと思っています。また、大会を契機として、一昨年の東日本台風の被害からの復旧、コロナ禍からの復興など、将来的な発展につなげていきたいと考えており、緑区の橋本から青根までの約30Kmを駆け抜ける「自転車ロードレース競技」をはじめ、大会の成功に向けた取り組みを着実に実施するとともに、5月29日に予定される国際自転車ロードレース大会「ツアー・オブ・ジャパン」相模原ステージの誘致成功など、有形・無形のレガシーの創出にも取り組んでいます。

 さらに、6月29日には聖火がやってきて、 「横山公園から市役所まで」と「橋本駅南口から橋本公園まで」の2つのルートでリレーが行われ、ゴールとなる橋本公園はセレブレーション会場となっています。また、ブラジルとカナダの代表選手団が、事前キャンプを行う予定です。本当は市民と選手が触れ合える機会が欲しいのですが、コロナ禍の中で、選手との交流の場は限られると思います。練習の公開などを通じて、遠くからでも選手たちの姿を直接見ていただく機会を設けたいと考えています。両国の選手には、感染症対策を徹底した上で、練習しやすい環境を整えるとともに、心からのおもてなしと応援をさせていただき、ぜひ良い成績を残してもらいたいと思っています。

 --SC相模原が大躍進を遂げました。

 私も数試合、SCの試合を応援しに行かさせていただきました。将来的には、J1に昇格して、大歓声の中でプレーしていただきたいと思っています。そうした中、新スタジアム建設の要望もありますが、まず候補地となる相模総合補給廠一部返還地は、米軍から国に返還された国有地です。令和3年度中に土地利用方針を策定する予定で、その後、具体的な導入施設等について検討し、土地利用計画を定め、4年度を目標に、国有財産審議会へ諮っていく方針です。市が勝手に計画を進められるものではないですし、厳しい財政状況下、建設後の収支採算の問題もあります。何より、まだ建設へ向けての市民意識の醸成も高まっていないと思います。ただ、今回のSC相模原の活躍で、市民の建設への意識の高まりも期待できますので、市の支出でない民間投資なども含め議論が深まれば良いと思っています。

 --市民へのメッセージをお願いします。

 昨年は新型コロナの世界的拡大という誰もが経験したことのない事態が起こり、今もなお終息を見通すことができない状況が続いています。医療をはじめ、市民の暮らしを最前線で支えていただいている方々へ改めて敬意を表すとともに、感染予防の取り組みへの協力や市の対策への理解、支援に感謝申し上げます。今年も安定した医療を供給できる体制を確保するとともに、生活の基盤となる経済・雇用対策、子育て支援や教育の充実など、引き続きさまざまな取り組みを行ってまいります。 本年も市政に対する皆さまの変わらぬご協力をお願いします。

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