このほど相模原警察署の署長に就任した 森元 博さん 中央区在勤 58歳
正々堂々 「職責」果たす
○…警察官人生36年目で初めて相模原へ。一度辞職する形で神奈川県庁の職員として2年間の出向勤務を経験し、このほど2度目の署長職に就いた。県内でもごく少数という異色の経歴から「良い意味で警察としての根っこが無い。肩入れせずフラットな目線で、正々堂々と職務を全うしたい」と心に決める。
○…横浜市鶴見区で生まれ、夢中で外を駆け回る活発な子ども時代を過ごした。警察官を志したのは就職活動をしている時。メーカーや印刷会社などさまざまな企業を受けて内定が出ていたものの、本当にやりたいことを考えた時に浮かんだのが「世のため人のために仕事ができないか」。そう思い交番に飛び込み、警察官になるための願書を受け取った。以来、交番勤務や機動隊、2013年に新設されたサイバー犯罪捜査課など多くの部署を経験しながら、背負うものも大きくなった。それでも常に意識するのは「重責から逃げない」こと。街の安心に欠かせない仕事に誇りを持ち、歩み続けてきた。
○…中学生の頃、親友に勧められて星新一の短編小説を読んだことから読書好きに。登場人物の心の機微やストーリーの行間を読み取り、想像力を働かせる。「人と向き合う仕事柄、考えが凝り固まるといけない。心情をくみ取る懐が必要」と、日々の職務にも生かされている。
○…めざすのは地域に寄り添う「街のおまわりさん」。住民と肩を組み、喜びや痛みも分かち合うことを目標に据え、まずは署員に街頭でのあいさつを呼びかけている。「街の人が警察官を育ててくれる一面は間違いなくあると思う。温かく受け入れてほしい」と微笑む。定年を前に最後の「職責」を果たすべく、ここ相模原での奮闘を固く誓った。
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