昨年11月にボクシングWBO世界フライ級王者に輝き、初の防衛戦に向けて調整を続けている中谷潤人選手(23)=緑区在住=が3日、所属するM.Tジムで、同区青根在住のプロゴルファー・井上靖さんから筋肉診断や体の動かし方の指導などを受けた。
5月末に予定されていた防衛戦がコロナ禍で白紙に。現在、中谷選手はミット打ちなどのジムワークや走り込みをこなしながら、マッチメークを待ち望んでいる。
日本プロゴルフ協会会員のゴルファーである井上さんは、ツアープロやトップアマのコーチングなどを行う中で、独自で学んだ筋肉理論をレッスンに生かしており、他競技のアスリートからも診断依頼を受けている。今回は同ジムの村野健オーナーが井上さんと親交があることから、中谷選手の練習に生かすために診断をする運びになった。
この日、井上さんは質問を交えて中谷選手の筋肉の質やクセ、体の特性などを分析。中谷選手にとってけがをしにくい筋肉の動かし方や、最も力を発揮しやすいパンチの出し方などを指導した。
井上さんは診断後、「中谷選手はボクシングに向いた筋肉の持ち主。一流選手は自分の筋肉を知ることでプラスにできる。この診断で今まで本能的にしてきたことを理論的に知ってもらえれば」と語り、中谷選手は「本能で動いていた部分をわかりやすく説明していただき、今まで手ごたえのあった時のパンチが理にかなっていたこともわかった。ボクシングに生かしたい」と述べた。
世界戦に続いて防衛戦もなかなか日程が定まらないが、王者は「強さを求めて一つずつ成長していく。やることは変わらない」と動じない。「試合が延びれば残念だし、応援してくれている方々に報告するのも辛いが、この期間に苦手なことにも取り組めている。チャンピオンロードをお見せできればと常に思っている」と力強く語った。
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