東京五輪に向けた事前キャンプを行っているカナダ代表ボートチームの選手たちとホストタウンである相模原市は12日、夢の丘小学校(南区当麻)で児童を対象とした交流事業を実施した。
夢の丘小は総合学習の時間でオリンピック・パラリンピックをテーマとしているのに加え、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が主催する、競技会場の一角に児童が栽培したアサガオを並べる事業「フラワーレーンプロジェクト」に協力していることから、今回の交流事業の対象校となった。
コロナ感染拡大防止により選手の学校訪問が叶わない中、市は代替案として選手団にオンラインによる交流を提案。今大会は無観客での競技開催となるため、ホストタウンとして市内の子どもたちがカナダの活躍を願っているという姿勢を選手団側に知伝えたところ、快く応じる形で今回の交流事業が実現した。
当日は4年生児童55人と選手6人が参加。選手たちへの質問の会では、「ボートを始めたきっかけは?」との問いに、女子軽量級ダブルスカルに出場するジル・モファット選手が「18歳の時に友達をつくろうと始めた」答え、「チームメイトと同じ方向で出られる五輪はうれしい。カヌーは私にとって大切なもの」と思いを込めた。
加えて、「何かを決めるのにまとまらなかったらどう解決しているか」との問いには男子軽量級ダブルスカルのマックスウェル・ラティマ―選手が答え、「一番大事なのは皆で同じゴールをめざすこと。自分の意見を言うことよりも仲間が考えていることに耳を傾ける事が大切だ」と助言を送った。一方、選手からの逆質問もあり、「皆さんにとって今回の東京五輪とは?」の問いに「皆で心を同じにする時間」「勝利は皆で喜び合い、負けたらもっと応援する。そんなお祝いの大会」との声が聞かれた。
児童は事前に手製の応援旗も贈呈した。受け取った選手は感激した様子を見せ、「(描かれた金メダルを見て)あの金メダルがほしいね。私たちはあのメダルをめざしているんだよね」と互いに気持ちを高め合っていたという。児童代表の春山萌愛さん(9)は「(五輪が終わった後に)選手たちにありがとうと言ってもらえるように応援したい」と話し、エールを送った。