神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

県内初の豚熱感染― 防疫措置に「建協」が尽力

社会

公開:2021年9月23日

  • X
  • LINE
  • hatena
フレコンバックの移送作業(上)とレンダリング装置への搬入作業の様子=写真提供・神奈川県
フレコンバックの移送作業(上)とレンダリング装置への搬入作業の様子=写真提供・神奈川県

 相模原市内の農場で神奈川県内初の「豚熱」発生が確認されたのは7月8日。同日、県は4109頭の殺処分を開始した。防疫措置に協力したのは神奈川県建設業協会相模原支部(櫻内康裕支部長)と相模原市建設業協会(篠崎英治会長)に所属する会員延べ300人だった。

 豚や猪に感染する家畜伝染病の一つ「豚熱」は、強い伝染力と高い致死率が特徴。人に感染することはなく市場に出回ることもないが、万が一、感染豚を食しても人体に影響はないという。

 市内の農場で「豚熱」疑いが発生したのは7月7日。豚熱ワクチン接種のために県央家畜保健衛生所の家畜防疫員が農場に立ち入った際、農場主から「豚が異常を呈している」と告げられたことから始まった。翌日、同研究所の抗原検査で陽性反応が認められ、同日から殺処分が開始された。

協定に基づき要請

 2015年2月に県と締結した「家畜伝染病発生時における防疫業務に関する基本協定」に基づき、8日に一報を受けた県建設業協会は養豚場がある相模原支部に緊急招集をかけ、市建設業協会にも協力を仰ぎ、防疫措置を始めた。

 内容は防疫フェンスの設置やレンダリング装置(殺処分豚を破砕・加熱処理する機械)の設置場所の整地、フレコンバック(殺処分豚を収容し輸送するための袋)の移送や装置への投入などだ。

24時間2交代体制

 協会では鳥インフルエンザの防疫措置のシミュレーション訓練をしたことはあったが「豚熱」は未経験。「まずは情報収集から取り掛かった」と篠崎会長は振り返る。

 東日本大震災や国内の風水害発生時にボランティアなどで現地に赴いた経験やつながりから、牛の防疫措置に協力した宮崎県の建設業協会を知った。連絡を取り、作業についての情報を得た。中でも「メンタルがやられる」と聞き、「作業者のメンタルには最も気をつかった」と言う。

 作業に携わったのは60社、延べ300人。猛暑の中、防護服を装着して24時間2交代体制で過酷な作業にあたった。「使命感を持っている会員が多いから成し遂げられたと思う」と篠崎会長。21日に防疫措置が終了、8月3日に現場の撤去作業が完了した。その後は、現場を農地に復旧させるための工事も行った。

 篠崎会長は「次に生かせるよう反省会を実施して記録を残したい」と今後について述べた。市内の災害発生時には救助活動を行う体制を整えるため、いち早く現場に向かう建設業協会員。真冬には除雪作業や凍結防止剤散布作業も担う。「市民のため、これからも活動していきたい」と更なる地域への貢献を誓った。
 

さがみはら中央区版のローカルニュース最新6

花で地域つながる

花で地域つながる

清新中と社協が連携

4月25日

酒気帯びで議員辞職

酒気帯びで議員辞職

田崎氏

4月25日

駐車場がない!衣料店が解決

「田名にもう一度鯉のぼりを」

「田名にもう一度鯉のぼりを」

有志がGWにイベント

4月25日

変わりゆく花火大会

供用10年

田名バスタ

供用10年

4月25日

相模原市のご葬儀

ニーズに応じた家族葬プランをご用意

https://ceremonyhouse.jp

<PR>

あっとほーむデスク

  • 4月6日0:00更新

  • 3月30日0:00更新

  • 3月23日0:00更新

さがみはら中央区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月25日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook