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「相模原で合議制裁判を」 市長ら、横浜地裁へ要望

社会

公開:2021年11月11日

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提案書を手にする(右から)本村市長、佐藤座間市長、県弁護士会・二川裕之会長
提案書を手にする(右から)本村市長、佐藤座間市長、県弁護士会・二川裕之会長

 相模原市は10月13日、座間市、神奈川県弁護士会と合同で、横浜地方裁判所相模原支部(富士見)での「合議制裁判」の実現を求めて、同地裁に要望書を提出した。今後は協議会を設立し、活動を続ける。

県内唯一導入なし

 合議制裁判とは3人の裁判官の協議によって事件を審理する体制。1人の裁判官しか関与しない単独性の裁判に比べ、より慎重かつ迅速に裁判の判断を受けることが期待できるとされる。

 刑事事件では殺人や放火などのように重い刑罰を判断する場合には合議制の審理が必要。被疑者の身柄を拘束する決定に対する異議申し立ても合議で行わなくてはならない。民事事件でも、医療者に過失のある事故や労災、建築瑕疵などの事件、争点が複雑な一般事件などは合議制で審理する場合がある。

 横浜地裁相模原支部は、県内4支部(川崎・横須賀・小田原)の中で唯一、この合議制の機能を備えていない。加えて、政令指定都市に設置されている支部で、合議制が導入されていないのも同支部だけ。現状、合議制が適切な事件だと判断されると、同支部から横浜地裁本庁に事案が回されるが、手続きなどで審理が遅延する場合もあるという。

 同支部は1994年に開庁。管内人口は85万人を超える。同支部が2020年に受け付けた民事第1審通常訴訟は589件で、全国253カ所の地裁本庁・支部の中で37番目の件数。同支部よりも管内人口、取扱件数などが同支部より少なくても、合議制が実施されている支部は全国にある。同支部で合議制裁判ができないことにより、管内の市民は当該事件の手続き遅延、民事・労働事件では、本庁に出廷する移動時間や交通費の負担増加といった不利益を被っている。

 そこで相模原・座間の両市は2002年以降、市長声明の発出や市議会による最高裁や国に宛てた決議などを行い、合議制の導入を働きかけてきた。その一環として、毎年度市職員や県弁護士会が横浜地裁へ申し入れ。本村賢太郎市長就任後は市長自ら先頭に立ち、動いている。今年9月には両市議会が全会一致で「合議制及び労働審判を実現することを求める決議」を可決した。

明確な基準示されず

 本村市長としては3回目となる10月13日の横浜地裁への要望書提出に、今年度は座間市の佐藤弥斗市長も同席。応対した所長代行に両市の合議制実現への熱意を市長自ら伝えた。

 提出後、本村市長は記者会見で、「合議制裁判を実施しない理由として『人口、事件件数、アクセス、人的物的な要因』など総合的判断によるとし、具体的な条件が示されてない。明確な基準がないことが大きな課題ではないか」と指摘。「引き続き権利をしっかり勝ち取れるように取り組みを進めたい」と意気込んだ。同要望書は11月8日、最高裁にも提出された。今後は実現をめざし、両市と同支部、民間などと連携した「協議会」を立ち上げる予定。

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