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番外編 「相模原で合議制裁判を」 連載 相模原の「司法」を考える 寄稿 大谷豊弁護士

社会

公開:2021年12月2日

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 このシリーズコラムでは、相模原の司法の現状と課題について、市にゆかりのある弁護士が解説する。大谷豊氏が担当。

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 10月13日、本村賢太郎相模原市長は今年も横浜地方裁判所本庁舎に行き、横浜地方裁判所相模原支部で合議制を実施するよう横浜地方裁判所所長に陳情しました。今年は、佐藤弥斗座間市長も同席し、相模原市民と座間市民合わせて85万人を超える市民を代表しての陳情です。他方、横浜地方裁判所は、所長ではなく所長の代行が対応したのです。

 本村市長はこの裁判所の対応に対し、「所長は現在裁判所庁舎にいるにもかかわらず、どうして所長が自ら対応してくれないのですか」と問い質しました。裁判所側は「裁判所は裁判官会議に最終決定権があり所長にはそのような権限がないので、今回は対応していません」との回答でした。

 裁判官会議とはその裁判所の長が議長となって、裁判所の司法行政事務に係る意思決定を行うための合議制の機関です(裁判所法29条)。そして、法29条2項では、各地方裁判所が司法行政を行うのは、裁判官会議によるものとし、各地方裁判所長がこれを統括すると規定しているのですから、裁判所の回答は的を得ていませんでした。

 続いて本村市長は、「裁判所には4つの支部があるが、相模原支部だけが合議制を実施していない。事件数、人口、本庁との距離、弁護士数などからみて、相模原支部だけ合議制を扱っていないのは不平等ではないか」と裁判所側の見解を問いました。裁判所は、「相模原支部で合議制を実施するかどうかは、裁判官会議で議論する事務分配の問題であり、裁判官会議では、相模原支部で合議制を実施しないことについては不合理な状況まで生じているとは考えていない」として、現時点で相模原での合議制を実施することはないと回答しています。

 同席した弁護士から刑事事件と民事事件について、関係する市民から見てのいくつかの不都合事案を紹介しましたが、裁判所側では、「具体的な事件についてのコメントは控えさせていただきます」として、今後相模原支部で合議制を実施するかどうかを検討するかどうかについても回答を避けていました。

 会談の後に行われた記者会見の席上で佐藤座間市長から、「相模原市と座間市で定期的な協議会を作り、これからも相模原地域の司法の充実に向けて活動を続けていきたい」と提案され、本村相模原市長もこの提案に賛同しています。

 これからも相模原地域での司法の充実の実現をめざし、相模原市、座間市のみに限らず、さまざまな市民とともに活動していこうではありませんか。

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