寄付で集めた毛髪で医療用ウィッグを作り、病気などで髪を失った子どもたちに無償提供する活動「ヘアドネーション」。この夏、2人の小学生が挑戦した。
星小・井上さん
星が丘小2年の井上敬富(けいと)さんは7月20日、4年ほどかけ腰まで伸ばした髪をバッサリ切った。
毎日髪を結っている父・正人さんからヘアドネーションのことを聞き、「困っている人のためになるなら」と決心した。正人さんによると井上さんは将来看護師になる夢を持つなど「人を助ける」ことに興味があり、それも動機の一つになったのではないかと推測する。
一方、本人からは「夏だし。重たいし」と子どもらしいコメントも。切ったあとはさっぱりした様子で、「誰が使うんだろうなあ」と、これから自分の髪が役に立つことを楽しみにしているそうだ。
カットをした緑区下九沢の美容院・リンクスヘアーの松本なつみさんは8年前の開店当初からヘアドネーションを受け付けており、これまで20人ほどを担当したそう。切った髪は大阪にある小児用メディカルウィッグを無償提供する団体に郵送する。「子どもの髪は傷みがなく耐久性も強いので喜ばれるはず」と話す。
弥栄小・岡野さん
「病気で困っている人に髪の毛をあげたい」。そう笑顔で話す弥栄小1年の岡野ななこさん。大好きなユーチューバー、フィッシャーズ・モトキの動画でヘアドネーションを知っていた岡野さんは7月23日、初めてのヘアカットに臨んだ。
岡野さんは1歳の頃にリンパ管腫を発症。今も定期的に病院に通い治療を続けている。父・智博さんは「娘が、自分と同じように病気で困っている子たちの力になりたいと言うので」と今回の試みを決めた。「伸ばしたかったけど、役に立ちたいと思った」と明るく話す娘の姿に感慨深げだ。
初カットを担当したのは、いつも「前髪のみ」を切っている、ヘアリゾートクランプ相模原店(相模原)の篠原麻依さん。岡野さんは篠原さんが大好き。「小さい頃から来てくれている、ななこちゃんが、自分から進んでやってくれることがうれしい」と篠原さん。
約31cmの人生初カットを終えた岡野さんは「海苔を食べてまた伸ばすよ」と元気いっぱいに笑った。
切った髪の毛は、井上さんと同様に小児用メディカルウィッグを無償提供する団体へ郵送する予定だ。
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