小学校6年生と中学校3年生(義務教育学校の当該学年含む)を対象とした「2024年度全国学力・学習状況調査」の結果が7月29日に発表された。相模原市の平均正答率は中学生の国語が全国平均を上回った。一方で小学生の算数、中学生の数学は全国平均をやや下回る結果となった。
同調査は文部科学省が義務教育の機会均等とその水準の維持向上を目的に2007年度から毎年行っている。今年度は4月18日に実施された。
相模原市の小学生について、国語の平均正答率は67%で全国平均と比べて0・7ポイント低く、算数は63%で0・4ポイント低かった。両教科とも相模原市の小学生は全国平均をやや下回った。
相模原市の中学生について、国語の平均正答率は59%で全国平均と比べて0・9ポイント高かった。数学は52%で0・5ポイント低かった。
相模原市ではこれまで、国語の「書くこと」の区分の正答率が全国平均を下回る傾向が続いていた。こうした状況を受け、市は2020年から「3つのじ」を合言葉にした指導に取り組み、問題を解く際に「時間」「字数」「条件」を意識することを強化したという。その結果、今年度は小学生が69・6%で全国平均よりも1・2ポイント高く、中学生は67・5%で2・2ポイント高かった。
同調査の開始当初、相模原市は全国平均を大きく下回る傾向が続いていたが、今年は小、中学生ともに全教科で全国平均との差が1ポイント以内に収まった。
横浜・川崎を下回る
県内の政令市をみると、中学生の国語は相模原市と横浜市は同程度だったものの、小学生の国語、小中学生の算数・数学は横浜市と川崎市を下回った。特に算数・数学では川崎市を4ポイント下回った。
市の担当者は「他市との差は市の取り組みだけによるものではない」とした上で「結果を出している自治体の取り組みを参考にしたい」と話す。
またテストと同時に実施したアンケートでは生活習慣や日頃の勉強の様子などを調査した。
小学生ICT低く
PCやタブレットなどのICT機器の使用頻度を尋ねる項目では、週3回以上と回答した中学生の割合は71・6%で全国平均よりも7・2ポイント高かった。一方、週3回以上と回答した小学生の割合は48・6%で全国よりも10・9ポイント低く、県の平均よりも17・8ポイント低かった。
市の担当者は「児童の発達段階に応じた活用が大切で、全国を下回ることが必ずしも悪いことではない」としつつ、「今後は児童のICT機器の活用も積極的に進めたい」と話す。
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