相模原市は9月27日、中学校給食の全員喫食実現に向けて新たに開設する2カ所の学校給食センターの整備・運営を行う事業者選定について、落札者が決定したことを発表した。今年12月に事業契約を締結し、2026年中の全員喫食開始をめざす。
市内の公立中学校では現在、ランチボックスを使用したデリバリー方式(30校)と給食センター方式(義務教育学校の後期課程を含む6校)の2種類の方式で給食が提供されている。デリバリー方式では弁当持参との選択制が取られているが、「みんなと一緒のもの」「温かい給食」を求める生徒の声があり、保護者の負担軽減の観点からも早期全員喫食が課題となっていた。
そうした中、市は22年に「学校給食あり方検討委員会」を設置し具体的な検討に着手。昨年7月に同委員会から26年度中の全員喫食を目指して持続性の高いセンター方式を基本として整備するよう求める最終答申書が提出され、市は整備に向けて手続きを進めていた。
PFI方式で選定
事業者の選定には、民間活力の活用と地域産業振興の観点から、民間の資金と経営能力、技術力を活用し公共施設の設計や建設などを行う「PFI方式」を採用。総合評価一般競争入札にはそれぞれ1グループから応募があり、選定委員会の審査を経て落札者が決定した。
東清掃事業所の跡地(南区古淵)に整備される(仮称)南部学校給食センターは株式会社山路フードシステムを代表とするグループが落札した。供給能力は1日約9千食(17校)。県立相模原総合高校跡地(緑区大島)に整備される(仮称)北部学校給食センターは株式会社東洋食品を代表とするグループが落札。供給能力は1日約8千食(10校)。
市学校給食課の担当者は「中学生に安心・安全で温かくおいしい給食を提供するため、全員喫食実現に向けてスピード感を持って着実に進めていきたい」と話している。
26年中の全員喫食実現に向け、市は11月に市議会へ議案を提出する予定。事業契約の締結を経て26年11月までに各センターの整備と開業準備を行うとしている。
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