市内緑区でツキノワグマの出没が後を絶たない。同区与瀬で5月28日に発見されてから、ここ数週間で目撃件数は11件(6月27日現在)。昨年1年間の目撃情報3件と比較すると出没の多さが目立つ。さらに注目すべきは、人通りのある与瀬や住宅地の三ケ木で目撃されている点。今後は住民自らが野生の熊から命を守る術を身に付ける必要がありそうだ。そこで、麻布大学獣医学部動物応用科学科の准教授であり、ツキノワグマの保護や被害防除等に携わった経験を持つ南正人准教授に話を聞いた。
まず、ツキノワグマは一般的に「大人しい性格」と認識されているが、実際は人間のように個体差があるという。凶暴な熊もいれば穏和な熊もいるため「『熊』と一括りに捉えることは危険」と訴える。人里に出没した原因については、「春は熊のエサである新芽が豊富で、秋はどんぐりがある。夏は山にほとんど食べ物がないので、熊にとっては食糧難の時期」とし、本格的な夏場を迎える8月頃の更なる出没の増加を示唆。さらに、「農業や林業など第三次産業が盛んだった頃は森林が整備され、人を嫌う熊は山奥に生息していたが、今は人が山をほとんど利用しないため、藪が広がり熊の生活範囲が人里近くまで広がっている」と説明する。対応策としては、不整備な場所の草刈や、子どもたちの集団での登下校、茂みの近くの通学路を街中に変更することを挙げ、「豊かな自然が魅力の市なので、熊も自然の一部と捉え共生を考えることが大切」と南准教授は話している。
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