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弥栄高校書道部 県大会73校の頂点に 個人賞の2年生は全国へ

文化

公開:2018年1月18日

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筆を手に笑顔の書道部メンバー=11日
筆を手に笑顔の書道部メンバー=11日

 神奈川県高等学校総合文化祭「第54回書道展」の審査結果がこのほど発表され、弥栄高校書道部が、73校が参加する団体部門で優勝した。同部として団体部門の頂点は初で、個人部門でも野口瑞歩さん(2年)が優勝にあたる教育長賞を受賞した。野口さんは今夏に長野県で行われる全国大会に参加する。

 高校生の文化・芸術の祭典として毎年開催されている同大会。今回の書道に加え、美術・工芸や演劇、囲碁・将棋や弁論など20以上の部門に分かれ、優秀な成績を収めた生徒を各部門で表彰している。

 書道展は昨年12月に横浜市民ギャラリーで開催。各校には展示スペースが定められており、その範囲内で部員全員の作品を展示、審査される。当日は生徒の作品約千点が会場に並んだ。同部はこの大会に毎年参加しており、教育長賞の受賞は今回で3人目となったが、団体としてはこれまで昨年の優秀賞(6位)の受賞が最高だった。今年度は教育長賞の野口さんのほか、金沢唯衣さん(2年)が書道専門部会長賞を受賞するなど部員の作品全体が総合的に評価され、初の団体優勝を果たした。部長として皆を引っ張る浦田瑞希さん(同)は今回の受賞を受け、「昨年の今頃は、『来年はベスト4』と話していたけど、みんなの頑張りがあって団体で優勝できた。少しずつ実感が沸いてくるようになった」と喜びを口にする。

経験者はわずか2人

 1年生3人、2年生5人の部員が中心の同部。古典などの資料や手本を真似て半紙に書く「臨書」を活動の基本とし、各大会への参加や文化祭でのパフォーマンスなども行っている。部員8人のうち経験者は野口さんを含む2人のみで、他の部員は未経験者。部長の浦田さんも中学時代はバスケットボール部に所属しており、書道にそこまで高い関心はなかったと言うが、「日本人らしい嗜みや和の心を身につけたい」と入部を決めた。一方、野口さんは小学3年生の頃に自宅近くの書道教室に通い始め、以来、中学では部長を務めるなど書道を続け、同部に入部。大会前の自宅での何十枚にもおよぶ猛練習などが実を結び、今回個人賞を受賞したが、「(個人賞も)もちろん嬉しいけど、部員のみんなと一つの作品を作り上げて、それが団体として評価されたことが何より嬉しい」と笑顔で話す。

未経験から個人賞受賞

 部を率いるのは、家入博徳顧問。弥栄高校に赴任して4年目で、自身も何十年と書道を学んでおり、書道に関する本を出版するほどの腕前。教え子たちの快挙に家入顧問は、「生徒はいつも真面目に一生懸命に取り組んでくれているし、表現が上手になってきた。日々の練習の成果や頑張りを評価して頂けて良かった」と目を細めた。

 高校で習う書道は基本的に、漢字を用いる一般的な「漢字書道」と、日本独自の文字である仮名と和様漢字で書かれる「かな書道」に分けられる。大会に向けては、家入顧問が生徒の字の癖や個性などを見て「漢字書道」か「かな書道」かを助言し、一人ひとりに合った模写の作品を勧めている。経験者の野口さんは「かな書道」で大会に臨んでいるが、入部当初は未経験の分野だった。「新しいことに挑戦したいと思ってやってみたけど、最初は苦手だった。書いた事のない文字で、意味もよく分からないから」と慣れない文字にとまどったという。だが「かな文字」を書く高校生は珍しく、これを専門としている家入顧問のもと力をつけ、今回の個人賞を獲るまでに至った。浦田さんは野口さんについて「個人賞が無かったら団体優勝はなかったと思う。(かな文字は)一度挑戦したことがあり苦労は知っている。本当にすごい」と手放しで評した。

 野口さんは今回の個人賞を受け、長野県で行われる今夏の全国大会の県代表に推薦される。出品作品の締切は2月末に迫っており、現在は大会に向け、手が真っ黒になるほどに練習中だ。野口さんは「全国でも何とか自分の実力を出して頑張りたい」と意気込んだ。

部長の浦田さん(右)と、個人賞を獲った野口さん/今大会で展示された弥栄高校書道部の作品
部長の浦田さん(右)と、個人賞を獲った野口さん/今大会で展示された弥栄高校書道部の作品

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