大船渡で"拓本" 30tの津波石 御園・山田さん グリーンホールに展示(11日・12日)
東日本大震災によって蘇る、約80年前の津波の記憶――。今年6月に岩手県大船渡市三陸町で発見された、過去の大津波の出来事を記す「津波石」が拓本となって、今月11日(土)と12日(日)、グリーンホール相模大野に展示される。
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拓本とは「石碑の碑面などを原寸大で和紙に摺り移す」こと。今回拓本採取に現地へ赴いたのは、南区御園在住の山田真也さん(=写真)。「相模原と友好関係にある大船渡市でかつて起こった地震と津波を物語る貴重な遺産」と話している。
この津波石は、天地3・7m、左右3・1mの大きさを誇る巨大な花崗岩。正面には『津波記念石』と文字が刻まれている。昭和三陸津波(昭和8年)で約200m先の海岸から打ち上げられたもので、『重量八千貫』(約30トン)という刻印も。この自然石はこうした由来が刻まれた後、長い年月の間忘れ去られ、昭和50年代の道路工事の際にはとうとう埋められてしまったそう。しかし、奇(く)しくも今回の大震災で決壊したアスファルトの亀裂から顔を出し、再び日の目を見ることとなった。
この事実を新聞記事で知った郷土史家の山田さんは相模原市を通じて、拓本採取を依頼。先月中旬、巨大石と”格闘”をしてきた。ある大学教授は「これほどのものは見たことない。おそらく日本一大きな津波記念石では」と話していたそうだ。山田さんは「展示を通じて現地の歴史を知る、文化的な交流が生まれれば」と期待を寄せている。
なお、今回の展示は第62回相模原市民文化祭「合同展」の一環として行われる。
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