感謝の気持ちを、走りで表現!南区磯部のウルトラマラソン選手・関家良一さん(45、星工業(株)勤務)が今月28日(火)から、東日本大震災復興支援に対する”御礼マラソン”を台湾で行う。九州ほどの面積を持つ台湾を、13日間かけて一周(総距離1070Km)。知人の伝手を辿り、レース期間中多くの現地人に会い、「ありがとう」を伝えていく。
ウルトラマラソンとは、フルマラソン(42・195Km)を越える距離を走行する”超(ウルトラ)”長距離レースのこと。関家さんは世界でもトップクラスの実力を持つ、この競技の第一人者だ。
国際大会への出場で、幾度となく訪れた台湾が、多額の復興支援金を日本に送っていることを、あるとき知った関家さん。「何かお礼はできないかとずっと考えていました」。そんな折の昨年秋、現地の友人から聞いた、「台湾の人は、よく自転車で一周する」という話がヒントに。「それなら、僕は走ってみよう」。即決だった。
期間中は10数名の現地ランナーが、一部同行。28日にスタートし、3月11日(日)、スタート地点の台北市で、ゴールを迎える計画だ。
「パパ、行ってらっしゃい」ウルトラマン、その素顔は?
100Kmにはじまり、24時間や48時間のレース、はては144時間に及ぶ大会まで存在する、ウルトラマラソンの世界。言うまでもなく、常人には想像を絶する過酷な戦いが、レース参加者には待ち受けている。
例えば、世界中の猛者たちが集まる、ギリシャで行われる大会「スパルタスロン」。首都アテネから、スパルタまでの246Kmを競うレースだが、開催は平均最高気温29度の9月。完走率はなんと30%!”脚”に覚えのあるランナーでさえ、音を上げるほど過酷を極める大会となっている。関家さんはキャリア20年の間で、このスパルタスロンで2度優勝。一年に一度行われる「24時間走世界選手権」では、3連覇を含め4度の優勝を成し遂げている。
万里の長城も
関家さんが、長距離走を始めたのは、25歳の時。目的は、それまで何度となく挫折していたダイエットだった。「いつも、走ってはやめるの繰り返し。継続してやるために、フルマラソン出場という目標を掲げました」と、振り返る。無事、その年にフル完走を成功させ、次の目標に掲げたのがウルトラマラソンだった。”初ウルトラ”は、1994年のサロマ湖の100Km。「完走は絶対に無理だと思っていた。成功した時には、涙がこみ上げてきて、フルでは味わえないものでしたね」。それを機に、42・195Kmでは、飽き足らなくなってしまったそうだ。
その後も地道に練習を続ける日々。2001年、台湾での国際大会で優勝に輝き、トップランナーに躍り出た。これまでフィンランド、オランダ、チェコ、フランスなど世界各国でレースに参加。中国では、あの万里の長城での100Kmマラソンに参戦したこともある。
通勤の足は?
現在は、中央区田名塩田にある機械加工業の会社に勤務。「通勤手段?5Kmほどなので、走って出社しています」。大会前の追い込みの時期は、帰宅後も練習。いったん軽い食事を取り、ランニングに出発する。「家がエイド(補給所)みたいなものですかね」。座架依橋付近の川沿いが、お気に入りのジョギングコースだ。
そんな”超人(ウルトラマン)”も、「娘にはデレデレですから」と、妻・かおりさん。夫婦一緒で東京マラソンに出場するなど、家族で走りを楽しむことも。先日は家族と熱海温泉旅行へ。「現地集合、現地解散。妻と子どもは車で。僕は、走って熱海目指しました」。走りの超人は、休日の過ごし方も”超(ウルトラ)”ド級だった!
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