4日目には左足を疲労骨折、その3日後には右足も!それでも、走り抜いた13日間1085Km―。南区磯部在住の関家良一さん(45)が台湾一周マラソンに挑戦し11日、スタート地点の台北市でゴールテープを切った。多くの台湾人と触れ合い、東日本大震災の復興支援への感謝を伝えた。
42.195Km以上の距離を走る超・長距離走(ウルトラマラソン)の選手として活躍する関家さん。世界でもトップクラスの実力を持ち、この競技の第一人者だ。今回は震災支援への気持ちを台湾全土に届けようと、一周マラソンを企画した。
”関家加油(クァンチャジャーヨー)”(関家さん、頑張れ)。ウルトラマラソンが日本より浸透している台湾では、関家さんはヒーロー的な存在。各地域に点在するマラソンクラブのメンバーが伴走してくれる形で、この”御礼マラソン”は進められた。
気温差20度
フルマラソンを超える距離を、連日走る『ジャーニーラン』は初めての関家さん。「洗礼を受けました」。24時間走、灼熱の246Kmレースと数々の大会に参加したベテランランナーでさえ、過酷な日々を強いられた。
その要因の1つとなったのは、九州とほぼ同じ面積を持つ台湾の南北の気温差。北部は10度前後にまで冷え込み、南部は日中30度を超える猛暑。寒暖の差が両足を疲弊させた。自他ともに認める”根っから楽天家”も「明日は走れないんじゃないか」と、珍しく不安になる夜を過ごしたそうだ。
けれども、地元ランナーが毎日、憧れの存在との走りを楽しみにしている。「自分のことを待ってくれている」―。脛(すね)がどんなに腫れ上がっていても、朝5時には起床し、明るく元気にスタートラインへ立った。
歓迎の雨嵐
長い時は1日の走行距離が100Km以上になることも。どんな状況に置かれても、笑顔で現地ランナーとのランニングを楽しみながら、夕方には目的地へ到着するように走り続けた。
このジャーニーランに参加した現地人は、最終的にはのべ500人に。11日、無事ゴール。13時46分、現地の人とともに東北の被災地へ黙祷を捧げた(時差1時間)。
帰国後は両足疲労骨折の影響で、医師からは3週間のドクターストップが。「足はかなりきつかった。たぶん、独りだったら走り切れてなかったかもしれません」。百戦錬磨のウルトラマラソン選手も、さすがに音を上げた様子?勤務先へは、いつもなら大会後もランニングで通っていたが、しばらくは車通勤を余儀なくされそうだ。
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