新磯・大凧"神様"にきく タウンレポート 180年の伝統
GWの風物詩となっている「相模の大凧まつり」が5月4日(金)・5日(土)、2年ぶりに、南区新戸・磯部の相模川河川敷で開催される。西暦1830年頃にまでルーツを遡ることができるとされ、新磯地区を代表する伝統行事の一つ、大凧。この文化の先頭に立ち続け、”守ってきた人”の思いに迫った。
-・-・-・-・-・- 凧連(凧の仲間)の中でも、”凧の神様”とひときわ尊敬を集める名人がいる。新戸在住の西山一郎さん(85=写真)は昭和22年から、新戸地区の大凧揚げに参加している、この道60年の大ベテラン。腰を痛め、現在は一線を退いている。特に「糸目の付け方は真似できない」と、新戸以外の地区からも賞賛される。「風向きを読んで、タイミングよく引っ張り揚げる技術だったり、どういう風だったら上がるかとか自然のことにも詳しくないと。経験が重要なのだけど、年に2日間だけだからね」と西山さん。凧の重さは950kg。人力もさることながら、当然、匠の技が必要となる。彼の”神業”がなれば、揚がらなかったこともある。
「若い人に伝えるのは難しいよ。でも、受け継いでいってくれる人を探さないと。ここ30年ぐらいはずっとそう考えていました」。舞い上がる姿はいかにも軽やかだが、そこには180年もの間、継承し続けてきた、時間の重みがある。
今年はどんな空中遊泳を見せてくれるのだろう。「しっかり後世には伝えてあるから、安心してるよ。いい南風が吹けばいいね」。”神様”はニッコリと笑いながら、太鼓判を押してくれた。
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