福島第1原発事故の影響で市内へ避難している、羽下昌方(あきのり)さん(南区新磯野/64=写真)の水彩画作品が現在、東京・六本木の国立新美術館に展示されている。展覧会は今月11日(月)までの、現代美術家協会による公募展覧会「第68回 現展」。羽下さんの作品「天と地の間で(人の道を探る)」(=下写真)はおよそ縦150cm×横210cmの大作だ。
福島県南相馬市で、陶芸家として活動していた羽下さん。海外を中心に活躍し、スペインのプラド美術館から”評価すべき15人の日本人”に選定された実績も持つ。
自宅があった場所は、第1原発から20Km圏内の警戒区域。避難を余儀なくされ、慣れ親しんだ焼き窯で、作品を作ることはもはやできなくなってしまった。
それでも、形にしたいイメージがあったという羽下さん。「一人ひとりがバラバラで自分勝手な人間が増えている。心と心が内面で結びついた、人と人とのつながりを表現してみたかった」。絵筆を持つのは実に40年振りだったそう。「先の見えない避難生活において精神的な負担は増すばかり。それにめげずにがんばった甲斐がありました」。そして、羽下さんの作品は展示された中から、「準会員賞」に。2日には表彰式が会場で行われ、共に避難する家族とともに喜びを分かち合った。
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