さがみはら南区版 掲載号:2012年9月27日号
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今年創立50周年を迎えた、相模原華道協会会長 正(まさ)奈史(なふみ)さん 南区相模台在住 73歳

愛(め)でる心「和室の外へも」

 ○…半世紀の活動の足跡を喜ぶというよりは、危機感でいっぱいのようだ。ある時、孫と一緒に花を生けた。「ばぁば、家に飾る所がないよ」─。洋風の立体的な設(しつら)えの”今の住宅”では尚更(なおさら)、余分な空間は少ない。和室もそもそもなくなってきた。かつては840人いた会員も、現在は300人ほどに。「先人からの文化。その一部が私たちのアイデンティティになっている」。侘(わび)・寂(さび)、幽玄、そして自然を愛でる心…。これからも”私たちであるため”に、文化の継承に努める。

 ○…静岡県出身、結婚を機に相模原へ。それまでは中学校の体育教師を務めていた。「声が大きすぎて、周りの教室からは『うるさい!』って」。その歯切れのいい声は、今でも健在だ。大学在学中に取得した師範免許で、子育て中の27歳のとき教室を開く。「女性にも自活が必要と思って」と奮起した。協会の会長は、務めて8年。定期的に会員による展覧会を開いている。

 ○…趣味は絵画。海外旅行でも、いつもスケッチブックを携える。カッパドキア(トルコ)、モンサンミッシェル…。デッサン画をよく見ると、紙にメモらしきものが。「描いていると、お花のアイディアが思い浮かぶの」。閃(ひらめ)きはところ構(かま)わず書き記(しる)してしまうのだそう。

 ○…作品を入れる花器(かき)や剣山…。花代(はなだい)だって馬鹿にならない。住居もすっかり洋風化した。取り巻く経済的、文化的状況は逆風そのもの。「伝統的な形式ももちろん大事。けど、もっと本質的なのは花を愛する精神」。形にこだわりすぎて、それが障壁になる。そこで団体では、先月には大型スーパーにも出向き、体験イベントを行った。”まずはここにある好きなお花を手にとってみて下さい”。花器にはペットボトルや醤油瓶(びん)など、ごく身近にあるものを使用。それはそれで、けっこう様になるそうだ。「和室にだけ閉じこもっていてはダメ。もっと外へも出なくちゃ」。声を大にして、仲間に呼びかけている。
 

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