神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

震災後の生き方追う 森健(もりけん)氏が語る「被災地の今」

社会

公開:2013年3月7日

  • LINE
  • hatena
森健氏=ジャーナリスト(相模原市出身)。東日本大震災では被災地取材を行い、『つなみ 被災地のこども80人の作文集』(文藝春秋)を刊行。現在も現地での取材を続けている。
森健氏=ジャーナリスト(相模原市出身)。東日本大震災では被災地取材を行い、『つなみ 被災地のこども80人の作文集』(文藝春秋)を刊行。現在も現地での取材を続けている。

 事実を受け入れることができる人は強い―。被災当時や今置かれている現状は皆それぞれだ。そこで、「現実を、自分の中で受け入れられているかどうか。これが今、人によって大きく違っています」。東日本大震災の捉え方は、客観的な被害の大きさに関係しないという。妻を亡くし、子どもを亡くし、それでも逞(たくま)しく前を向いている人もいる。震災以前の人生観が、震災後の生き方に繋がっているのではないか…。被災地の子どもや家族を取材し続ける中で、ジャーナリスト・森健さんが、強く感じたことの一つだ。

 東林地区まちづくり会議主催による森健さんを招いた講演会が先月16日、南区相南で行われた(演題『つなみ』被災地の子どもたちの作文集から伝わるもの〜東日本大震災から知る家族・地域の絆〜)。防災意識啓発などを目的に企画されたこの講演会には、150人に及ぶ住民が参加。森さんから語られる、被災地からの”本音”に、じっと耳を傾けていた。

 震災発生から数カ月間、現地はいわゆるパニック状態であったが、その混乱は現在だいぶ落ち着いてきているという。しかし2年という歳月が経過し、また新しい問題が次々と起っている。昨年からは福島県へ赴き、家族への取材を進めている。「住まいが(一時的にでも)安定すると、少し心に余裕ができた分、現実に目を向けなければならなく、一層将来への不安が高まっていく」。そしてその精神的な疲弊は、体に出てきてしまう人もいる。「うつ状態になってしまうのは大人だけでなく、子どもの間でも多い。ただ話を聞いてあげるだけでもいい、継続的な精神面でのケアが必要かと。2年の間でも状況は日々変わってきています。未来を担う子どもたちの記録として、これからも追っていきたい」と被災地へ足を向け続ける思いを語った。

 また、「メディアの間ではインターネットやツイッターが便利だったなどといわれているが、被災地でそんな事実は聞いたことがない。本当に支えてくれたのは自衛隊だった、と皆口を揃えています」とも話していた。
 

さがみはら南区版のローカルニュース最新6

制服回収箱を庁舎に設置

制服回収箱を庁舎に設置

経済困難家庭を支援

4月20日

絵と箏で能登支援

絵と箏で能登支援

4月29日 ラクアルオダサガ

4月19日

「オペラの魅力 知る機会に」

「オペラの魅力 知る機会に」

森澤かおりさんインタビュー

4月18日

源氏物語を知る

「安全運転をおねがいします」

「安全運転をおねがいします」

新1年生からメッセージ

4月17日

「レコード聴いて楽しもう」

「レコード聴いて楽しもう」

相模台・高柳さん自宅で

4月16日

あっとほーむデスク

  • 4月6日0:00更新

  • 1月19日0:00更新

  • 12月1日0:00更新

さがみはら南区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月20日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook