お見事V5、美諭季健在
中央区共和の大澤美諭季(みゆき)さん(29・SHOWTEC)がこのほど東京武道館(足立区)で行われた第47回東日本実業団空手道選手権大会・形個人戦女子の部で優勝し、大会5連覇を成し遂げた。
シードで出場し、2回戦、3回戦、準決勝と全て5―0で勝利。決勝戦はナショナルチームの新鋭を4―1で倒した。またその試合で、「コウソウクン大」などの十八番でなく、「はじめての形」(チャタンヤラクーサンクー)を披露し、周囲を驚かせた。
実は昨年12月の全日本選手権で3位になった際、その達成感から一度は身を退くことを考えたという。後輩に道を譲るため、年が開けて早々、毎年優勝していた5月の県大会は出ないことに決めた。大澤さんの1年間はほぼ毎月のように大会があり、仕事、練習、道場での指導の連続でほとんど休める状態ではないそう。いつの間にか大会に追われて空手をしていた。
不出場はちょっとしたニュースとなり、引退の噂も流れた。道場の師範代でもある母は、彼女の気持ちがわからないわけではなかった。しかし、師範の父は強く反対。そして、しばらく一人で考えた。ようやく出た結論は、「楽しんでやってみよう」――。
関係者によると、この実業団の大会は毎試合、伸び伸びと演武をしていたそう。チャタンヤラの初披露が、それを象徴している。「今までは全部の大会に出場していましたが、今回は自分で選んで、落ち着いてスケジュール調整できました」と大澤さん。「楽しむ」ことが功を奏したようだ。
しかし、実は大会一週間前に体調を崩し、チャタンヤラクーサンクーはほんんどぶっつけ本番で臨んだ形だったそう。さすが、ディフェンディングチャンピオン。「まだまだ彼女の形を観たいですよ」(関係者)。
大澤さんは日本空手道『翔成會(しょうせいかい)』の指導員であり、共和道場(共和中学)、鵜野森道場(鵜野森中学)にて毎週、門下生の育成にも力を注いでいる。