9月1日からカフェで個展を開く、画家の でるもなかさん 相模台在住 52歳
憧れのブルーな世界
○…それまでは色鉛筆のみを使う画風だった。「絵具に比べて手軽なので。ちまちま描くのも好きですし」。B1サイズに3カ月近くを費やしていた。5年ほど前、アクリルガッシュ(絵具)を使う現在の手法に変わった。お気に入りの色鉛筆が生産中止になったのがきっかけだった。イラストレーターの妻の薦めでガッシュを手にした。すると、目が覚めるような明るいブルーが全面的にでるように。「それまでは『俺の世界』だったけど、ガッシュで『ウェルカム』な感じになりました」(妻・ゆうこさん談)
○…「若いうちは歌手願望もありましたが、ハイトーンを無理しすぎて…」。喉をこわし断念。29歳の時、趣味で合唱団に入団。その団による演奏会冊子のデザインを任され、絵と真剣に向いあうこととなる。鉛筆で『廃墟にワンピースの女の子が立つ姿』を描き、それが好評で(色)鉛筆画にのめり込む。大きなキャンバスを使い、線の重なり、強弱だけでいくつものファンタジーな世界を表現した。
○…20代の頃、色々な夏の海をフィルムに収めた。現在の作品によく見られる青色はその独特な色彩から「でるもなかブルー」とも言われているそう。「基本的には絵具をあまり混ぜることはしません。色合いが鈍くなるので」。複数の市販の青色の配置が「そのブルー」を作り出す。「子どもの頃は内向的で、夏でも家の中で車の絵を描いていたり。20代、30代は逆に、海への憧れが強くなりましたね」
○…今ではトレードマークでもある髭。「最初はおっさん臭くて嫌でしたが、剃ってみても結局おっさん臭くて」。日中は着物のしみ抜きの仕事をこなす。「絵柄を直すこともあるので、絵心がないとうまくできませんよ」。夜は画家に。頭の中のイメージを具現化させていく。「徐々に画家業の比率が高くなっていくといいですね。まずは地元の人に知ってもらいたい」。相模台のカフェに来月1カ月間、作品が展示される。
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